2023年!

明けました。
旧年中はたいへんお世話になりました。
巡り合わせいろいろ、なんとか切り抜けたことに安堵しつつ
また今年ものんびりがんばっていきたいと思います。

2023年になってもまだまだ(ほんっとにまだまだ)Covid-19の日々ですが
それに加えて、一昨年後半からちょっとタフなことがあり、
昨年末の個展を無事終えるまで、なんというか、最低限だいじなものだけ
とにかく手放さずなんとか岸まで泳ぎ着いたという感じでもありました。
岸に上がって、あーよかったぜーはー・・・して、ふと周りをみると
そこはキラキラした世界で、なんとも自分の無様さに居心地のわるさを
感じたりしたものの、でも、まあ、しかたがない(笑)。

とはいえ、個展や版画を作り、それを皆さまにご覧いただき、
気に入っていただくことって、まさにキラキラしたことというか
それなりの余裕があればこそとも思うので、
今年はあまりぜーはーせずにやっていきたいものです。

* * *

と前置きがながくなったところで、ことしの年賀状!
またもプリントゴッコで作ったので、その備忘録バージョンアップです。

今回もプリゴのメッシュ作りは、レトロ印刷JAMさんにお願いしました。
紙に描いて、取り込み、アウトライン化。
白黒グラデーション画の2階調にする加減も大事。
各版を一枚分にまとめたイラレデータを入稿すると、翌々日にはもう届く。
早い。
200メッシュというのがプリゴにはちょうどよいです。

今回はやや細かくしすぎて、刷っているうちにベタになってしまいがちだった。
ベタになると、刷るときメッシュと紙の接面が広くべったりして、刷りムラがでてしまう。次回はしっかり対処しなければ。

メッシュが出来上がったら、刷る版作り。
昨年までメッシュ枠は厚紙で自作したけれど、今回はもう使わなくなった(ランプがもうないので利用できない)プリントゴッコのハイメッシュマスターの枠を流用。
ピンと貼るのがなにより大事です。
ゆるいままだと「刷るときメッシュと紙の接面が広くべったり刷りムラ」が増悪します。
そしてインクを盛るのには、違う色のインクがまざらないようにインクブロッキングを。これは「すきまテープ」が使えるのがわかって一安心。幅や高さを適当に切ればよし。
そしてインク盛るのは、やはりアイシング用の絞り袋を使うと便利。
インクが古かったり、また室温が低くせいもあって固かったりした場合、ちょっとお湯につけるとにゅるにゅるでてくる。
ただチューブに水分がくっついたままだと、錆がでそうなので、しまうときはしっかり水気がなくなってることを確認せねば。

だんだんインクの色が足りないものも出てきて、来年あたり本当にもう代用インクが必要になるはず。
手持ちのリトグラフインクは、前回試した結果、やはりあまり向かない。使えるけれど、とにかく乾きが遅すぎる。これま今年じゅうに考えよう。
とりあえず、色によっては使い切る感じで、しっかりインクを盛る。
(実はちょっとケチって刷りムラをだしてしまって結果的に無駄にしてしまったのだ)

ということで、あとはパタパタ刷るのみ。あっという間に200枚刷れちゃうのはやはりプリゴの良さ。
とにかくインクはしっかり盛ろう。

そんな感じで、今年も宛名面が1版3色、そしてこの絵柄面は3版7色(1色/4色/あまり変わらないけど2色)でした。
今回は反省点も多かったけれど、やっぱり楽しいプリントゴッコでした。
ことしの反省点は、ちゃんと次回に活かすことにしよう。

ことしもどうぞよろしくお願いいたします。

個展のお知らせ

12月!数年ぶりに個展をします。
まだまだ、というかいまだにCovid-19から逃れることができない日々ですが、
ご無理のない範囲で、どうぞご覧いただければうれしいです。

橋本尚美 リトグラフ版画展
「テリトーリオ、あるいは風にそよぐ草とカーテン」
2022年12月12日(月)−17日(土)
11:00−19:00 最終日17日のみ17:00まで
ギャルリ・シェーヌ(銀座)地図

Statement

テリトーリオ、あるいは風にそよぐ草とカーテン
Territorio, o piante e tende al vento.


まずはじめに、断っておきたいのは、作品は見るひとがなにか思うことをもって完成するということ。

作者なりにあれこれ思いながら、それを作品に詰め込もうとはしているものの、それは察する必要もなければ、読み取ろうとする価値もまったくなく、ただ自由に気ままにご覧いただければなによりと思う。

その大前提があっての話ではあるが、ここ数年、多くの人と同じようにコロナ禍のなかで過ごし、ネガティヴに思うこともあれば、すこしはポジティヴに思えることもあった。

美術館の一時休館は残念だったけれど、そのあと人数制限をしての開館は、これまでの人気展の芋洗い状態を思えば快適としか言えなかった。そして、日頃の性分として人と距離を取れることにも、大きな安心があった。もしこの世界的感染症から身を守るための適切な行動が、日々多くのひとたちと接しておしゃべりに明け暮れるべしとかだったら、ほんとうに苦しかったと思う(だからこそ、それを好ましくおもい望む人たちにとって、どれほどつらい日々だったかと思う)。

とはいえ、自分のなわばりに居心地よくこもってはいても、こうして作品を作れば、やはり誰かに見てもらいたいと思って、最近になってSNSに画像をあげたりもするし、うちの猫の画像をアップしていいねがつけば、誇らしくおもう。きっと、すこし窓を開けて、風を取り入れる空気の美しさはいくら引きこもり上等と言いつつも、わかっているのだ。だから、窓辺に吊るした草やカーテンが風でそよぐのをテリトリーのなかからこっそり眺めているのが、少なくともいまのところは、自分にとってベスト・ポジションなのではないかとおもう。そうすれば、かさなるレイヤー(版)の先にみえる、自分とそれ以外の存在との接点のカタチもときどき覗きに行ける。それは自分の受け止め方の型としてしか受け取れないかもしれないけれど、そんな現状を、この個展のタイトルとした。


重ねて言うが、作品は見る人それぞれの感想や印象があって、それと相まってやっと「作品」として完成形になるという気持ちは変わらない。

感染予防対策をとりつつ、会期中はずっと在廊を予定しています。
ご来場のみなさまには、勝手ながらマスクの着用をお願いいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

2月の作品展ふたつ。

まだまだ、というか、ますます Covid-19な日々が続いていますが、
2月に2つの作品展に参加します。

この1年以上、自分自身がすっかり引きこもって暮らしているのに
ぜひお出かけください!とお声がけするのは心苦しくもありますが
もし近くにお出かけの用事などありましたら、ぜひご覧いただければ幸いです。
どちらも、とても見応えのある作品展となっているはずです。

★版画ふたり展「春の隣のねこ」

2022年2月1日(火)−28日(月)
コピス吉祥寺4階アートギャラリー(連絡通路)地図
10:00−21:00 *コピス吉祥寺の営業時間による
*現在、4階のA館が全面改装中につき、会場の「連絡通路」はB館側(石井スポーツ)からしか行けません。ご不便おかけしますが、ご注意ください。 

ひとつめは、「吉祥寺ねこ祭り」という恒例イベントのひとつとして開催される、ねこをテーマとした版画展です。
友人でもある銅版画家・唐津のり子さんとご一緒します。
展覧会タイトル「春の隣のねこ」は、唐津さんが、俳句の季語に「春隣」って
いうのがあるのよ、と教えてくださったことから決まりました。

出展作品は、ふだんの作品とはちょっと違って、リトグラフを一版刷ったあとに油性絵具でモノプリントを重ねています。これまでやったことのなかった技法ですが、失敗を繰り返しながらも、いつもとはまた違った楽しさを感じました。

タイトル「You Shall Not Move! 動いてはならぬ!」

吉祥寺は中高時代を過ごした街でもあり、すっかり様変わりした今でも
(本展会場のコピス吉祥寺も、そのころは伊勢丹だったし)
やはり親しみを感じています。

★ Small Works 2022

2022年2月7日(月)−19日(土)
ギャルリ・シェーヌ
10:00−18:00(最終日17:00)地図

10年以上まえに、1年おきに個展をしていた銀座のガレリア・グラフィカbisが、昨春ギャルリ・シェーヌとなって生まれ変わりました。

本展は、こちらで昨年今年に展示をする作家たち16名による「日常にアートを届けたい」がテーマの小品展です。
わたしも今年の12月にここで個展をすることになっていて、本展に出品するリトグラフは、その予告編のようなつもりで作りました。

まだタイトル決めてないので書き込んでいない笑

以上、ふたつの展覧会。どうぞよろしくお願い申し上げます!