「マメ版画まつり」に参加します!

新緑の5月!
丹沢アートフェスティヴァルのひとつとして、90人ほどの版画家たちによる小さなマメ版画で遊ぶ展覧会、その名も「マメ版画まつり」。
このたび初めて参加します!

ただの小品ではなく、たのしい「マメ」版画でなくては!と、この機会につくってみた作品をちらっと紹介しつつ、東京は緊急事態宣言など、なかなか難しい時期ではありますが、ご無理のない範囲でご高覧いただければ幸いです。

会期は5月いっぱい、会場となるのは小田急線渋沢駅すぐそばの一軒家フレンチ「ぶらっすりー千元屋」さんのレストラン兼ギャラリー、鑑賞のみOKです(現在、お食事は要予約とのこと)。
展覧会詳細については記事末をごらんくださいー。

わざと手に持ってみましたが、こんな感じに小さいリトグラフです。
しかも!
このフレームは両面からみることができるため、この裏にも作品が!
どーゆーことかというと、まずこんなふうに刷り・・・↓

刷った紙をひっくりかえし、裏にもう一枚、版をおいて刷りました。
表の3つの版のプレートマークがうっすらみえるでしょうか。この両面する版はそのため裏表に版の形をおなじにしてあります。


こうして、上記のような4つの版を使ったものから、そのなかの裏表2枚だけを刷った小さいやつまで、出来あがりましたー。

↑を、裏返すと・・・↓


というわけで、表からも裏からも、さらには光に透かしてみても↓、またちょっと見え方が変わって楽しい(はず)。


2枚のみの裏表さんたち。


あとほんのすこし旧作もだします(こちらはふつうに片面のみ)。

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<展覧会詳細>

マメ版画で遊ぶ展覧会「マメ版画まつり
5月1日(土)~5月31日(月)12:00am~5:00pm
(火・水曜定休)※GW期間中も同じ
会場:ぶらっすりー千元屋 

地図   神奈川県秦野市曲松2-7-7 電話 0463(88)7117 
【交通】小田急線渋沢駅南口より徒歩3分。(新宿より1時間10分くらい)
お車では、東名高速・秦野中井インターから約12分 、大井松田インターからは約15分。

ご無理のない範囲で、どうぞよろしくお願いいたします!


プリントゴッコで作る年賀状2021

2021年、令和 3年、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年も年賀状は、プリントゴッコでつくりました。

・表3版5色+裏1版1色
・メッシュ製版 JAM発注
・用紙 ミルトGAスピリット(ナチュラル)180k
・130枚ぐらい(非限定エディション)、サイン入り

プリントゴッコ(以下、プリゴ)が世を去ってから久しいものの、まだまだウチでは現役です。なによりあのパタパタと刷りあがる楽しさ。わたしにとって年末年始最大の楽しみと言っても過言ではありません(住所録整理や宛名書くのは苦手なので、年内に投函できたことはほとんどないけど)。
製造中止からもうだいぶ経ちますが、インクは譲っていただいたものや最後に買いだめたのがまだまだあり、そしてハイメッシュマスターもそれなりにある。しかし、とうとうあのピカッとするランプが、あと一回分になってしまいました。これでは製版ができません。

ということで、今回ははじめてレトロ印刷でおなじみJAMさんに製版を外注してみました。そんなこともあり、あらためてプリゴでの年賀状制作について書いておこうと思います。

*  *  *

まずは版の準備。ここは今までと同じで、手描きの絵をもとに、スキャナで取り込み、分版を考えつつ、版ごとのデータをつくります。今年は丑年なので牛の絵です()。

今回3版つくることになりました。宛名面用にもう1版必要だけど、それは2版目の余白をつかってすますことに(マスキングして別々に刷る)。
これまでなら、ここで各版のデータをプリンタ出力して、コンビニに持ってってコピーをとり、プリントゴッコの「ピカッ!」な製版をするところでしたが。

でも、今回はこのデータのまま、JAMさんに入稿。プリゴで使う場合、200メッシュがよいそうです。そして翌々日ぐらいにもう届きました。早い!
絵の部分はさほどこれまでとの違いは感じませんが、文字についてはやはりデータから直で製版されるので、すごくキレイ。

しかし、メッシュはキレイに仕上がっても、プリゴで刷るには、これまでのような枠がいる・・・ということで、ハイメッシュマスターもどきのフレームを厚紙で手作り。

枠も3つ。製版はLサイズ一枚にしてもらったのを切り分けて、3つの枠に張り込みました。厚紙・両面テープ・メッシュ・両面テープ・厚紙のサンドイッチみたいな感じ。ほどよくピンと張るのがちょっと難しい。
とにかく、枠のでっぱりの向きとメッシュのオモテウラを間違えないように、しっかり注意。

そしていよいよ、刷ります。まず1版目は1版3色。
インク周りのグレーのスポンジは、となり合ったインクが混ざらないようにするためのプリゴ用品ですが、私は隣り合わない所にもいつも使うことにしています。こちらもそろそろなくなるところだけど、なにか代用品考えねば。

(追記)とあるYoutubeを見ていて、もしこのグレーのやつの手持ちが切れたら「すき間テープ」なるもので代用できるのではと思いました。試してみないとわからないけど、自分メモとして、追記します。

(追記その2)その後、2022年用年賀状を作る際に、すき間テープを使ってみました。商品によって質感もいろいろですが、こちらのは素材がまったく同じなんじゃないか?と思うほど違和感なく使えました。もちろんサイズや厚みが違いますのでハサミで適宜カットする必要がありますが、それも簡単でした。

ハイメッシュマスターにはインクの上にかぶせる透明シートがついてましたが、それも代用品で。キッチン用品ながら、ふだんから私の版画制作にもなくてはならない便利グッズ、プレスンシールを使いました。ピタッと貼れてよい。

プリントゴッコの良いところは、インクが早く乾くところ。1版目を刷って数時間後に、いまのうち反対の宛名面を刷っておく(2版目兼用)。そしてまた数時間してから、その2版目の本来の版をパタパタ刷りました。
早く乾くとはいえ、この刷るときに紙をおく台は、紙が出てきたインクにくっついて持ち上がらないよう相当粘着力があるので、裏の刷ったところが直接触れないようカバーしておく。いくらインクの乾きがはやくても、それなりにインク取られるので。

刷り始めたら、ひたすら一気に。とはいえそれなりに馴れているので、紙をさす、プリゴ本体をギュッと押して刷る、刷った紙をラックに置く・・・という一連の作業が5秒/枚ぐらいでいけるので(正確には、左手で刷った紙をラックに置きつつ、右手でもう次の紙を刷り台に置いてる感じ)、130枚刷っても15分かそこら。このパタパタあっという間に刷りあがるのもプリゴの醍醐味で、いっぱい刷り上がったのをみると、やたらと気分もあがります。
上の写真は2版目(と裏の1版)まで刷ったところ。つづきは翌日に。

いよいよ最後の3版目。まずはインクを混ぜる調色から。黒ではあるけど、金色や茶色など何色か混ぜたもの。これまでのどんな色もチューブからそのまま使うことはまずないです。

この版もインクが横に流れていかないように、グレーのやつを。横に広がらず最小限のインクで済むような気がして、いつも2階建てにしている。とはいえ絶対これを使わなきゃというより、ピンセット使ったりするこの地味な作業がなぜか好きというのが最大の理由かも笑。「インクブロック」という商品名でした。

そしてインクをもりもりと。100均のお菓子作りグッズ売り場にある絞り出し袋が、とても便利。100円で15袋ぐらいはいってるので数年はもつはずだけど、なぜかどこにしまったか忘れしまうので毎年買います・・・。
そしてこちらもパタパタと一気に刷りあげました。


あとはちゃちゃっとサインを入れて、年賀のスタンプ(もう何年も使ってる消しゴムはんこ)を押してできあがり!

*  *  * 
まとめ。
外注したメッシュはまったく問題なく、文字に関していえば、これまでのコピーからピカッ!より断然きれい。枠に貼り込むのも、多少張りが弱くても問題なさそうでした(もちろん、ぴんと貼れるに越したことはないけど)。てことは、あとはインクさえあれば、プリゴはほぼ永遠に使えることに。
プリゴインクは油性なので、同じ油性のリトグラフのインク(うちにたくさんあるし)で試してみたけれど、結果からいうと、それなりに使えました。
とはいえ、刷り自体はほぼ問題ないけれど、インクがなかなか乾かない。ふだんのリトより乾きが悪い。やはり孔版だからインクが出過ぎるのかな。丸一日たってもセット(インクは乾ききってないけど、軽く手で触れてもインクはつかない状態)にはならないのであった。
トライ&エラーで、インクのメッシュの抜けやすさと出具合(それが乾きやすさにも)の加減がつかめるようになればいいけれど。ほんとにインクにしろ、プリゴはよくできた商品だったと改めて思いました。
でも、今後に備えて、ちょっとずつ考えて工夫しなくては。

こんなかんじで、1・2・3版!

以上、年に一度の楽しい年賀状作りでした!

リトWSに参加してくれたかたたち!

ステイ・ホーム期間中に、思いつきではじめた
やってみよう!リトグラフ」という、ステイ・ホームなワークショップ。

実際どんなかんじの作品ができあがるんだろう?
ということで、作品公開にOKくださったみなさまの作品を
ばばーーん!と紹介しますっ。

★まず一番手は、電車だいすき小学生のKくん。

とれたんずの「けいひんとうほくん」とのこと。
「はたらきもので がんばりやさんの男の子 たのまれたらいやとはいえない」
キャラだそうで、そんなわけで私も、インクの色は黒か赤の2択です、なんて
無粋なことは言わず、青24号(京浜東北線の色名だそうです)に合わせて調色してみました!
とっても素敵に仕上がり、一枚いただけないかお願いしたところ
けいひんとうほくんと同じく「たのまれたらいやとはい」わずにくれました!
やったー。

Kくんは、数年前に春日部のTーBOXさんという造形教室で開催した
ワークショップにも参加してくれてます。

★続いては「やってみよう!リトグラフ」でたくさん動物の絵を
描いてくださったRさん。

実際に動物園に足を運び、観察しての力作です。生き生き。

★続いては、切り抜きを活かした、蛙月庵さんのアマビエちゃん!

花びらのような形の切り抜き指定は、散華のイメージとのこと。
このアマビエ散華のパワーはすごそう。

和のイメージだし、ためしに和紙にも刷ってみました(左)。
右はいつものポストカード用紙。どちらもとても素敵。

★つづいては料理人でもあるSさんの、お魚くわえたどら猫ちゃん!

よく見ると、細かい文字をアラビアゴムで抜き仕上げにしている緻密作品!
ここまで細かくできてるのはすごい。

こちらは「やってみよう!」を思いつきで呼びかけて、すぐに参加してくださったため、版のはじっこまで描くけど紙には写らないよ!という注意が間に合わず、たいへん申し訳ないことに端っこまで力作になってしまい(汗)特別対応として大きい紙に刷ってことなきを得ました。

★そして、お友達お知り合い対象に自宅アトリエでリアル開催していたワークショップのころ参加してくださったKSご夫妻の作品も!
かわいい窓辺の犬ちゃん(妻さん)。うちの窓辺から発想を得たとのこと。

「やってみよう!リトグラフ」で各自描画していただくのと、自宅アトリエにお越しいただいてたWSと技法的に手順はほぼ同じですが、描画材料のうち、解墨か、謎の綿棒か、という違いがあります。
解墨はかなり加減が難しく、目の前で作業をみながらでないとちょっと心配。「やってみよう!」で使う「謎の綿棒」は失敗する可能性はそれほどありません。仕上がりはそれぞれですが、どっちにも良さがあると思います。

解墨つかうとこんな感じ。独特のタッチが活きてるパンダちゃん(夫さん)。

もうひとつ、在宅WSでの大きな違いは、ご自分でプレス機回して刷っていただくこと!私は口でいうだけで、ぜんぶご自身でローラーころころもプレス機ぐるぐるもやっていただくのであった。スパルタびしびし。

きびしくも、ささやかにお茶とおやつ付き。

なので、時間内に収まるなら、2作目にチャレンジしていただくことも。私はみてるだけなので笑。

そんなわけで、ワークショップは、どちらにもそれぞれの良さがあります。
それこそワークショップに限らず、コンサートなどでも、じかに見るライヴのよさはもちろんあるけど、でもどこからでもいつでも参加して楽しめるのは、やはり新しい楽しみ方のひとつですよね。「ライヴで直接見られないから仕方なく」だけではなく。
なので今しばらくは、予防対策をしっかりとりつつ、今ならではやり方で楽しむのがいいかな、と思っています。



作品画像提供にご協力くださった参加者のみなさま、どうもありがとうございました!!!

「やってみよう!リトグラフ」の流れをあらためて、ごらんになるにはこちらからどうぞ。