このページは橋本尚美版画作品を毎月1点とりあげ、その絵にまつわるお話を作者自身がしています。随時書き込み更新します。

Go >> gallery/talk This Month
Go >> Backnumber Index

"il canale"
ed.20,10cmX9cm,lithograph,1997
(その1・6月1日更新)
 6月になりました。昨年の11月の個展がすんでもう半年もたったのかと思うとちょっとおどろきです。いまのところ個展の予定は来年のいつもの(1年おきの11月にやってます)までないのですが、なにか機会があれば、このホームページでもおしらせしたいと思います。先月のお話の最終回は昨日(2000年5月31日)にアップしましたので、一日で今月の絵にかわってしまいました。ぜひバックナンバーで読んでいただけるとうれしいです。よろしくおねがいします。

 今月はこの「il canale(流れ)」という作品です。ちょっと昔の作品になりますが、なんとこのたびT-SQUAREというグループのCDアルバムのジャケットを飾ることとなったので、このコーナーに引っぱり出してきた次第です。なので、いままで続けてきた「ひもやチューブ状のもの」や「黄色いたぷたぷ」(ぜひ、バックナンバーを見て下さい)は出てこないと思う反面、じっくり振り返ってみるとなにかつながりがあるのかもしれない・・と思うと、自分でもちょっと楽しみです。今月もよろしくおつきあいください。

"trasfigurare"
ed.20,10cmX9cm,lithograph,1997

「イル・カナーレ」との連作。

この作品はCDアルバムのバックカバーに

なりました。

(その2・6月12日更新)
 この「イル・カナーレ」というタイトルは英語の「channel」と同じ意味です。この作品は1997年制作なのでわりと古い作品なのですが、当時の作風からいうと、このように画面全体に色がのっているのは珍しい方です。画面にいろいろなモチーフが浮遊しているような白地をいかした作品が多かったのでした。今となっては、なぜ先月の当コーナーに登場した「sunlight」のように黄色ぺったりの作品なのかちょっと思い出せないのですが(赤い色の下にも黄色が入っています)、かえって、黄色というよりは、この「赤」のマチエールを出したかったのではないかと推察します(自分でつくっといて、ですが)。
 モチーフとしては、完全に当時「愛用」していたものばかりです。この植物的な要素は今も好んで取り入れていますが、ロータスのような形、そして何より、上部のアーチの着いた建物、門のようなものは、この頃の作品にもれなく着いていたモチーフでした。前々回の個展の時に来て下さった方々に「どの作品にも描いてある『コレ』は何なんですか?」と質問されて始めて自分でも気がついたのですが。なかには「なぜ、mの字が描いてあるのですか?」とか(たしかに形は似てますが;)、「なぜEなのですか?」(なぜあえて横にして読む?と、こっちが聞きたかった)などの質問もありました。自分のなかに考えもしなかった見方がふって湧いてくるようで、おかしかったり、勉強になったりしたものです。 
 話がそれましたが、次回はこの『コレ』について振り返りたいと思います。またおつきあいください。(つづく)
(その3・6月18日更新)
 最近、やっとyahooの登録サイトになり、楽に検索して見つけてもらえるようになりました。今ごらんの方の中にも、yahooのサイト検索結果からジャンプしてきた方もいらっしゃるかも。
 今回は右の水色のアーチのついた「お城」(と、私は呼んでいた)についてお話します。この頃の作品には、必ずこのお城と、ここには登場していませんが、他にべールというかカーテンのようなものがよくモチーフになっていました。
 今にして思うと、ある意味で「地図」のようなものを描きたかったのだとおもいます。とはいっても自分の頭のなかにある世界なのですが、その中心といか辿り着くべきところ、というのがこの「お城」の場所だったのです。自分の分身というか「自画像」として作品に登場していたのかもしれません。ベールの方は幾重にもかななったものを剥いでくぐり抜けて、だんだんその世界がクリアになってくる、辿り着きつつある地図のなかの奥行きのようなものを出したかったのでした。
 当時の作品はたいていベースが白地の作品が多かったのでお城もたいてい赤とかピンクだったので、今回の「il canale」は例外的なのですが、この水色のお城も地図の中心点であるものの、到達点というより出発点としてまた進化したい変わっていきたい気持ちを描きたかったのだと思います。左下の作品はこの「il canale」の姉妹作品なのですが、「trasfigurare(変わる)」といいます。これも出発点としても水色のお城が登場しています。(つづく)
(その4・6月24日更新)
 都民のみなさん、選挙はいきましたか?私はわりと欠かさず行く方です。投票会場が保育園でお誕生会のような飾り付けのなかみんな黙々と投票してる図はちょっと楽しかった。
 さて、今ちょうど新作のスケッチをしているところでなのですが、地図のようなものを作りたいなあ、と考えていて(今のところ)、前回のこのページで地図のようなものを作りたかった、と自分で書いたのを思い出し、なんだ同じようなことを考えていたのか、と気がつきました。
 きっと根本的に描きたいものは同じなのだろうけれど、そのときどきで「気になる」ものがあって(地図とか、黄色とか、たぷたぷ、とか)それらが、らせんのようにちょっとずつ違うレベルながらも、あるサイクルで巡ってくる様です。
 この作品の頃の地図はいわば自分の頭の中の世界観を示した地図のような感じなのですが、今製作中のものは、また違った見方で新しいアプローチで作れればと思っています。
橋本尚美へこのサイトやコーナーの意見・感想を送る