#09 September "lettura"



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"lettura" <<読書>>
ed.15,35cmX50cm,lithograph,2001
9月2日 

 すごく陽がさしてるのに汗が流れないうれしい気候になってきました。暑いのが苦手な私はうれしい。

 さて、今月とりあげるのは、今年の春ごろに制作した「lettura(読書)」というリトグラフ作品です。私は本を読むのが好きなのですが、本を読んでその内容にインスパイアされるというより、「その本を読んでいること」の方が作品自体に影響していると思います。そんなわけで、今月は私の好きな本、最近読んだ(読んでる)本と一緒に作品についてお話したいと思います。


9月10日

 また台風がきてます。このところ涼しかったので、よけい蒸し暑く感じますね。

 読書といえば、何冊か平行して読んでしまうので、(電車内読書用とか、就寝前読書用とか)たまに混乱してくることが多いのですが、同じ作家のを続けて読むことが多く、今はジョン・アーヴィングの「オウエンのために祈りを」を読み終わって「未亡人の一年」の途中です。あと電車のなかではお友達がくれたイタリアのイタロ・カルヴィーノという作家によるイタリアおとぎ話集のペーパーバックを読んでます。メルヘンチックというよりはちょっと怪奇的です。

 イタリア愛好家の私としては、読書ももちろんイタリアものもおさえたいところなのですが、邦訳本の絶対数が少ないので、有名な人の翻訳ものを読むか、わりと平易なものはお勉強をかねて原書を読む(もちろん辞書は必要)しかありません。いずれにせよ、かなり限られてしまうのが残念なところです。

 有名どころで最近好きなのはアントニオ・タブッキです。この方自身が「ポルトガル好き」らしくあまりイタリアっぽくはないのですが、さらにぜんぜんイタリアと関係ないにもかかわらず「インド夜想曲」という小説はよかったです。なんかところどころ映像が浮かぶ感じがします。なぜかフランスで映画化されていてTSUTAYAのような大きいビデオレンタル店にはおいてあると思うので、興味のある方はみてみてください。


9月18日

 せっかくみかんの缶詰もらったのに、家に缶切りがなかった。しくしく。ちょっと更新がおくれました。このページは毎週日曜日夜更新!と宣言はしていませんが、いちおう私の心のなかでは、毎週日曜日はサイト更新とトイレ掃除をしよう、と決めています。日曜日にできないときは土曜日のうちにやっておこう、と決めています。でも、どっちの日も出来ないこともあるものです・・・。

 サイト更新も遅れたぐらいなので、読書の方も進んでいません。しかし今日は電車にのって出かけて、食事も外食だったので、すこし読む時間がとれました。(まだ「未亡人の一年」を読んでます。しかもまだ上巻。)

 前回いくつか最近気に入っている作家の名前をだしましたが、いちばん「読書度」の質、期間ともに充実しているのは、村上春樹です。デビュー作の頃が私は高校生になったぐらいの時で、ほとんど出版と同時に読んでいた気がします。とくに初期の頃は。でも、「スプートニクの恋人」はまだ読んでない。一番好きなのは「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」ですが、”読書”として印象的だったのは「ねじまき鳥」でした。次回またイタリア話、村上春樹作品@イタリアです。


9月23日

 すばらしい秋空の下、お墓参りをしたのち、ポンペイ展にいってきました。もう夕方だったのに入場するのに20分ほど並びました。ひるまは80分待ちとかだったそうです。ディズニーシーほどではないか。やっぱり現地に赴いてみたらさぞや素晴らしいだろうと、思いました。イタリアの美術館博物館の建物自体の重厚さを思うと(ポンペイは遺跡だけど)、展示物がどんなによくっても、迷路のように立て付けて壁紙貼ったような壁面でみると、今一つ伝わりきれないものがある気がします。でもちっちゃい工芸品などはどこで見ても同じですが。レストランで当時のレシピを参考にしたという「ポンペイランチ」を食べてみたかったけど、売り切れだった。それどころかパスタも、ラーメンも、うどんも、売り切れだった。

 前回の続きです。何度かここでも話にでてきている一昨年のイタリア旅行の終盤、お土産購入モードに入っていた私は日本に戻ってから読む本を探しに行きました。なんとか辞書を引けば読めそうなものをさがしていると村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」のイタリア語版ハードカバーがちょうど平積み状態。もちろん日本語原書はとっくに全巻出版されてたのですが、その頃はしばらく村上作品はエッセイ以外読んでいなかったのです。そろそろ日本に戻る懐かしさと、村上作品とイタリアの地で再会した懐かしさとで、かさばるそのハードカバーを(タブッキのペーパーバックも)買いました。

 しかし他の荷物とともに別便で送ってしまったので、先に日本に帰ってきてしまった私は「答えあわせ」と称して文庫本をかってしまい、その日本語版を読みはじめてしまったのです。根性なし。(つづく)


9月30日

 結局、イタリアから送った本が日本についた時には、文庫本の方は読み終わってしまっていました。イタリア語版も読み出してみましたが、いまだにかなり初期の段階で停滞しています。

 私は初期からの村上作品ファンの一部にありがちな「ノルウェイの森」あたりでちょっと引いてしまっていたくちだったのです。でも、イタリアでの「出会い」で久々に接した村上作品は、そんな人たちのことはおかまいなしに(当たり前だが)、個々の作品と言う意味でも、作品を作り続けると言う意味でも、ひたすら自分を掘りつづけていないと(井戸のように)みえてこないものをみているような気がしました。私の知らない間も、村上春樹は、ずっと村上春樹だった。すばらしい。

 今月のお話は、これでおしまいです。自分の作品については何も書いてなかったような気がしますが・・。今、来月(もう明日だけど)の作品をどれにしようかなと悩みつつ、またトップページなどサイト全体のリニューアルを考えています。明日までに出来そうにありませんが、ときどきのぞきに来て下さい。ご意見ご感想もおまちしています。


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