#10 October "New Necklace"



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"New Necklace" <<新しいネックレス>>
ed.15,35cmX30cm,lithograph,1999
10月4日

 今月の絵は差し替えが少しおくれてしまいました。来月には、「個展まであと一年記念サイトリニューアル」を計画中です。前回の東京での個展から早や一年ちかく。そして今度の個展まで一年余り(同じところでやります)。またいろんな新作を楽しんでいただけたらいいなあ。

 先月の読書のお話からかわって、今月はファッション、身の回りのものです。この「新しいネックレス」という作品は、制作時期からいうと、「つつみこむ」シリーズ(そういえば、この時期の作品はまだこのページに未登場でした)のあと、観念的なものでなく、自然に目についたものを描こうと思って作ったものです。タイトルの”新しい”は、この作品の前に「ネックレス」という作品を作っていて、そのニューバージョンが本作だからです。

 ところで、こないだ横浜トリエンナーレを見てきました。歩き過ぎて作品の記憶より歩き疲れた記憶の方が鮮明になってしまったのですが、赤れんが会場の世界各地の膨大な数の写真の展示がたのしかったです。なんと家の近所も映っていました。


10月9日

 なんだか「戦争はじまらなきゃいいけど」とつい先日しんぱいしていたら、もう戦争しちゃってるようですね。ここで政治的な話は合わないけれど、友だちやら知人にぽそっと話すよりは多くの人につたえられるかもしれないweb上だからこそ、今までそして現在どこで誰がなにをしてきたのか真実を知るすべがない現実では、ただ目の前にいる病み傷ついた人の治療にあたったり水をあたえたりする人々の活動に賛同したいと書いておきます。といっても今月の作品の一枚分ぐらいの寄付とかしかできませんが、それでも、ただTVみてあっちが悪いんじゃないか、この人たちはおかしいっていってるよりはましかなと思うのです。

 今月の作品は、その前までの白地のモチーフがぷかぷかしていた作品にくらべるとほとんど色をのせてあるし、構図もシンプルです。以前の頭の中にある自分の世界のイメージ画のような抽象的なものでなく、もっと具体的でわかりやすいものを作ってみたかったのと、ずっと作品制作をつづけていく流れの中では、シンプルに構図をまとめる作り方に向き合ってみたかったのです。5月のこのページで紹介した「sunlight」の色でみたされている様子のきっかけのような感じですね。

 具体的なものといっても、もちろん、なにか目の前にあるものをスケッチしたり写生して作品にするのではありません。やっぱり自分の中にあるもの、たとえばこの作品でいうと、これは女の人がネックレスを首にかけようとしているところなんです、を自分の色、形でさぐっていって、こういう絵になる(なってしまう)のです。そーいわれてみると、そーみえません?


10月14日

 NHKの「日曜美術館」で横浜トリエンナーレを特集してました。「そう言う作品だったのか」と楽しみ直した一方、その作品の前に向き合った時に感じられなかったり、その背景、制作過程の「意味づけ」を知ることも鑑賞のうちだと、やっぱり一日歩いて見続けるのはしんどいですね。たのしそうな貸し自転車もありましたが。

 しかし、このコーナーも、作品を楽しんでもらう一助になればと始めた訳ではあるけど、この文を読んで「なるほど、そういう絵なのね」と感想の決着がつくのはちょっと残念です。確かに私には作品という形で表現したいものはあるけれど、それを見た人には、そのひとが持ち合わせいる世界に照らしてかんじとってもらえればと思うので、自分の何かを伝えたいというよりは、これをみてお互い何を心にうかべますか?というのがいいですよね。

 学生の時、教育実習で母校の高校にいったのですが、こういう授業をしたのです。各生徒にそれぞれ違う人物の写真を見せて、その人物の外見やイメージを文章だけで表現してもらう。次にその文章をシャッフルして、配付し直し、その文章だけから想像する人物を絵に描いてもらう。「Aという写真」見て「Aってこんなひとかな」となって「こんな人ってこういうカンジ?」で「こういカンジって実はAなんだけど」っていうゲームのようなものです。自分がAと思って伝えたものがAのまま他者に伝わるか、はたまた相手がAと受け止めてくれたとして、同じイメージをシェアしているとどこまで責任が持てるかなどコミュニケーション(伝えあうこと)のおもしろさと危うさの一部を体験してもらいました。

 「こう思ってくれたらうれしい」というのでなく、「私はこう感じた」というみなさんの心の活動のきっかけになれたら、それだけで十分にうれしいことだと思っています。


10月21日

 この作品のように、何か自分の中にある世界のようなものを探り続けるのでなく、ふと目にとまったもの、気になったものを自分の中で反すうしていくと、結局そのままの形を描くのでは、ぜんぜんその時の気持ちが表せないのです。先月のテーマだった読書でも、気に入った本は、その情景というか色や形が鮮明に浮かんできます。気に入った話だからそうなのか、みえてくる色や形の美しさのせいでその本が気に入るのかは、ちょっと自分でもはっきりしないのですが。

 そんなことを書きながら、次回作は、自分の周りで触れるものを色と形にしていこうとスケッチを始めています。このコーナーはちょうど今年の一月から始めたのですが、ここに何かを書き続けることが、その時の制作にヒントをあたえることって多いです。


11月2日

 11月になったのに、まだ先月の絵のまま。いそいで新作アップしますので、今しばらくお待ちくださいね。

 かわりといってはなんですが、リンクページのお友達のミュージシャン荒木尚美さんのウェブサイトが新装開店!みてみてくださいね。もし彼女の名前を知らなくても、ほとんどの人は彼女の歌をきいているはずですよ!

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