No.15 March 2002  
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"FIORIRE "
<<花咲き>>

ed.10,69cmX90cm,
lithograph ,1996

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3月1日(金)

 今月は、昔の作品を持ってきました。まだ先ですが(私にとってはもうすぐ!だけど)秋の個展にむけ、そろそろ新作は、個展会場に来てのお楽しみということで、出し惜しみすることにしました(笑)。また、この作品などの昔の作品から、今どのように変わっていってるのか、ぜひ楽しみにしていただきたいと思ってます。

 この作品は、私にとっては、大学の卒業制作をのぞけば、制作活動に取り組みはじめてからは初めての大きな作品となりました。とはいえ各版画公募展などに出品される作品にくらべれば、ぜんぜん「小品」ですが。

 また、この作品は、前前々回の個展の案内状にしましたし、今はもう絶版のようですが、本の装幀(works参照)にも使われたので、どこかで目にして下さってるとうれしいです。ということで、今月はこの春の花咲く作品にまつわるお話です。(つづく)


3月9日(土)

 植物も目に見えて芽吹いてくる今日この頃ですが、この作品をつくっていたころは、作品のモチーフにも花とか葉っぱがよくでてきました。どちらかというと一過性の花よりも、芽がでて葉が増えていく葉っぱの方が好きで、よく描いていたのです。ご覧の通りなにか特定の植物をスケッチしたわけはありません。

 私自身も、すこし鉢植えで植物を育てています。やはり、葉っぱもの、しかも食べられるものが多いです(笑)。去年は、かなり虫に食べられてしまったのですが、ここ数年育てているスペアミントはこの冬も元気に越しました。魚のかたちのテラコッタの鉢で、いい具合に苔がついて、とても気に入っています。(つづく)


3月18日(月)

 いつもより早めに月末に花見の予定をいれたのに、それでもすでに見ごろをすぎてしまうようです。

 ところで、お友達でもあり、私のイラスト入りTシャツなどを販売するサイトピカピカキャラカンを作ったり、そして写真家でもある、いなだゆかりちゃんのフォト・ギャラリーサイト「風来堂」に、私のインタビュー記事がのりました。スペシャル・ゲストのコーナーをぜひ見てみてください。ゆかりちゃんの写真もいいですよ。それにしても、インタビューのあとで行ったおうどんやさんはおいしかったなあ。また食べたい。

 さて。花や葉っぱなど植物を描いたもので昔からあるのは、文様・飾りだと思います。いろいろな様式があって、もちろん場合によってはなんらかの考え方が込められているものもあるでしょう。大昔には、自分達のまわりに草木があったというよりは自然の片隅で暮らしていたのでしょうから、「お花が家のまわりにあるとキレイ」とか鑑賞してうんぬんという気持ちではなかったんだろうな、と勝手におもいます。植物が食べるもの、薬のようなもの、材料(編んでカゴにするとか)になる、というのと「飾りにしたい」という気持ちがどう生まれたのか、考えているうちにあっという間に桜も散ってしまいそうです。

 みなさんもお花見はお早めに。(つづく)


3月25日(月)

 ほんとうに桜も散りはじめてしまいました。週末は、上野によってみたものの、雨降るわ寒いわで、プラド美術館展だけみて早々に引き上げました。

 いつも行く度に思うのですが、国立西洋美術館の企画展示室にある階段の殺風景さというか窮屈さがとても気になります。絵と見る人の間にうまれかけてた「共有する空間」があそこで一気にしぼむというか、その感覚をもったままでは、あのせまくて殺風景な空間はくぐれないので無理矢理放棄させられる感じです。昔の常設展会場の吹き抜けに展示されていたアングル展の「泉」は壮観ですごく印象にのこっています。

 「泉」といえば、いぜんこの作品を買って下さった方から「毎日この絵をみていると家の中に泉をもらったよう」と言っていただき非常に嬉しかったことがありました。なんでこの頃の作品にこういう植物とかが多いのかというと、(たぶん)自分の心のなかにある理想郷みたいなところを探っていて、その予想図というか希望図をつくっていたのではと思います。ベールをはぐようにして心の奥にはいっていくと、こういうところがあったらいいなあ、と思ったりしていたのです。