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   No.21・ September 2002
 

"vivo"
<<生きているところ>>

ed.10,41cmX57cm,
lithograph ,1996

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9月1日(日)

 とっくに夏休みとは縁のない暮らしをしていても(自由業はそもそも決まった休みもないし)『ああ、夏休み終わっちゃったな』と思ってしまう9月。夏休みの間に宿題終わらせたことなかったなあ。ひどい時は学校はじまってから「宿題なんだったっけ?」って友だちにきいて、徹夜して描いたり塗ったりしたものでした。ぜんぜん自慢にならないけど。

 今月の作品は「VIVO」といいます。なぜこれにしたかというと、今イタリアではベネチア映画祭の頃ですよね。開幕は「フリーダ」というフリーダ・カーロの生涯を描いた作品だそうです。もちろん見てないのでどんな映画かさっぱりわかりませんが。この作品はめずらしく他人の作品をみて刺激をうけて作ったのですが、それがフリーダ・カーロの「Viva la vita(人生万歳、だったかな、邦題は)」なのです。

 なんか行き当たりばったりのようですが、この頃にしては色使いが強めで、自分としては「ちょっと新しい感じかも」でした。でも、最近の作品の色使いに通じるものがあるかもしれません。最近の作品がどんなかは、11月の個展をお楽しみに。(つづく)


9月8日(日)

 先週、銀座の伊東屋に立ち寄ったら、もう来年のスケジュール手帳フェア開催していました。いくらなんでも前倒ししすぎでは、と思いつつ、手帳のリフィルとイタリア語版の手帳を買ってしまった。そういえば、去年すごい早く手帳のリフィルを買ったものの、いざ使う時に何処にしまったかもう覚えてなくて(泣)、今年は頂き物の手帳をつかっているのでした。

 それから土曜日には竹橋の近美で小倉遊亀展をみてきました。あれだけ、御長寿で制作にとりくめたのはあやかりたいところです。作品は何度かみたことあるものでしたが、以前はデパートの美術館だったので、今回のようにちゃんと空間をとって鑑賞できてよかったです。その前に美術館のレストランでお昼をたべたのですが、デザートのチョコレートプリンがすぅごくおいしかった。

 小倉遊亀の作品も、フリーダ・カーロのごとく「人生万歳」な感じがします。物質的だけでなくモチーフに対して、力強い肯定というか共感があるように思いました。物理的に同じモチーフを題材にしていても、モチーフと作者の間にかならず新しい発見、そして発見する喜び、楽しみがある。画風や絵の構成が力強いというのでなく、その喜びに対する自信が見ていて感じられました。そういう力強い肯定を作品に込めるというのは意外に勇気がいるのだけれど、やっぱりそういう勇気を持って作ってみたいというのが、今回の作品製作中にずっとありました。(つづく)

 


9月15日(日)

 よく個展が近くなってきたら忙しいでしょう、と言われます。たしかに、個展前後は不測の事態にそなえ、なるべく用事ははずしておくし、DMやら資料づくり(ちょうど今がその最中です)、そしてDMの宛名書きの時はてんてこまいです。でも作品を作ることに関して、できるだけ制作に没頭したいのは、いつでも同じことなので、制作に関しては、いつも同じペースを心掛けています。

 「いそがしくしない」というのは、私の中でとても大切なことです。睡眠時間が8時間以上とれないのは、月に数回しかない。いそがしいぐらいじゃないとヤバいかも、と思う時もあるし、忙しくしないわけにはいかないじゃん!という場合もあります。強調したいのはヒマなわけではないのです。忙しくならないように、優先順位を決め、手に余ることは諦めます。まったりとしていられるように、済ませることはテキパキとすませ、そして当然のことながら「いそがしくしない」ことで派生する代償を払っています。なので、『はしもとさん、のんきそうでいいなあ』とか言われると、正直言って「私がのんきでいるためにどれだけ努力してると思っているんだ(怒)」と思ったりもします。それがのんきなんだと言われると返す言葉はないけれど。

 でも、やっぱり今週来週あたりは、いろいろあって忙しいです。まじめに、乗り切ろうと思います。急に肌寒くなってきたし、健康第一。(つづく)


9月23日(月・祝)

 飲みかけの紅茶を飲もうとマグカップを口元にもってきたら、カップのなかに緑色のてんてんが!異物混入か、と思ったら、となりに置いた筆洗と間違えて、紅茶の中で、緑色の絵の具の付いた筆をすすいでいたのであった。でも飲んだ。お腹いたくならないから平気なのだろう。

  最近ずっとDMの準備が・・・と言っていましたが、やっと入稿して来月早々には出来上がる予定。でも、みなさまに配付するのは会期ちかくなってからです。あんまり早く送ってもなくしちゃうし忘れちゃうし。しかし、買ったばかりのはずのMacの機嫌が悪くDM作成の最後の一歩手前ですべてがすっ飛びかけたのには本当に焦りました。全身の血管がきゅぅうっと縮んだ後パッと開いて、急に道がひろくなった血液は引力の求めるまま一気に落下する、「これが血の気が引くってやつか」と実感しました。ほんとにこわいです。リカバリーソフト3回かけて奇跡的に復旧しました。

 今月も作品自体の話が少なくて恐縮ですが、そのかわりといってはなんですが、携帯の待受け画面を作ってみました。この期に及んでやっといまどきの携帯電話に買い替えたので、自分でまたちょこちょこと遊びで作ってみたのです。良かったら使って下さいね。詳しくはサプリメントのコーナーで。(つづく)


9月29日(日)

 なんだかすっかり寒くなってきました。寒いのは嫌いじゃないのでちょうどよい季節です。そろそろ個展のことで頭もいっぱいになってきたし、寒さだけでなく、気が引きしまってきました。だいたい個展は11月にしているのですが、このちょうど快適な(私にとって)季節に最後の追い込みをして、寒くなったら個展、というスケジュールがねらいです。私はがんばるだけなので、お天気いいことを願うばかりです。先日みた長期予報では、ちょっと冷え込むらしいけど。

 寒いといえば、前回の個展は搬入(前の週の土曜日)の日に風邪をひいてしまい、治しきれず、期間中ずっと風邪ひきのまますごしました。熱はでないのでつらくはなかったものの、咽がいたいのと咳がでそうなので、ずっとノド飴を一週間なめつづけて、舌がへんになりました。今度こそ体調をととのえなければ。

 さすがに今月の作品の話もちゃんとしなくてはいけないところですが(また月末だ)、この作品制作がインスパイアされたフリーダ・カーロも病気や事故や怪我などで、健康には縁遠い人生だったそうです。しかし、今の時代の「風邪ひいちゃって大変だった」とは比べようもない時代に、比べようもない症状だったことを思うと、その絵を描きつづけることの動機づけの奥深さはどんなものだったのだろう、と空想したりしてしまいます。私にとっての絵を描く動機とは何だろう、と思ったり、動機について考えている時点で、動機づけが甘いのではないだろうか、と思ったり、自分のこともからめて考えたりします。わりと私は、自分が絵をずっと描き続けていくことで、見えてくる「絵」というのがあると楽観的に思っている、というか信じているので、とにかく続けていられるようにしておこうと考えています。「絵を描けないのなら生きていても意味がない!」とは全然思わないし、「健康第一」がポリシーなので、ややもすると動機づけが希薄なんじゃないかと自問する時もありますが、でもきっと「ずっと描き続けて」そして「自分は絵を描き続けなければ」と気付くのがいいなあ、なんて思っています。

 ともかく、絵を描いて暮らしていけるのは、いろいろな外的環境や、内的環境をととのっていればこそ、なので、とてもありがたいことだと思っています。ほそぼそとではあるけれど。

 そういえば、「フリーダ・カーロ」の映画って日本でも上映されるのだろうか?みてみたいなあ。