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   No.27・March 2003

"serpente" <<へび>>

ed.30, 20cmX14cm, lithograph and woodcut, 2000

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3月2日(日)

 さて、週末の更新しようかな、と思ったらもう2月は終わっていた。早過ぎる2月。そんなわけで一日遅れで3月の絵になりました。しかも、いつの間にか20000アクセス達成。ありがとうございます。ふと見たらカウンタが19999だったもので、つい自分でキリ番踏んでしまいました。

 いつのまにか3月になっていた衝撃(おおげさ)と、この週末は確定申告の準備ですっかり「個人事業者」モードで、書くべきことが思い浮かびません。こまったものだ。しかし、今月はいろいろ新しいことを計画しています。より制作に打ち込める環境に自分をおいていく予定。でも、まだ気持ちは個人事業者・・・。早く終わらせたい。(つづく)


3月9日(日)

 あったかいのか寒いのかよくわからないこの頃。でも、すごく日が高く長くなってきました。これも地軸の傾きのおかげなのでしょうか。よくわかりませんけど(笑)。でも太陽にむかって向きを変えつつある(常に変えてるともいうが)地球にのっかって、色々なモノ・動物・ひと・山・ゴミなどと一緒に私たちも向きを変えつつあるのは、なんだかいいものです。他に選択の余地はないにしても。

 今月の作品は、「serpente」(イタリア語でヘビという意味)です。ウェブではかなりマチエールがみえなくなっているかもしれませんが、いちおう画面ひだり上からくるりんと垂れ下がっています。もとはこの作品は、私がいつも版画制作をしている工房の仲間たちとの作品集のために作ったものです。20人ぐらい参加して、全員に自分の作品をあげるかわりに、全員の作品も貰えるという仕組みです。なかなか楽しい作品集となりました。どちらかというと、やはり銅版画作品の方が多いので、カラリストの私としては明るく行こう!と(いつものように)黄色を全面に出してみました。工房で作業している時、他の人とおしゃべりしたりすることはあるものの、基本的に制作は孤独な作業なので、このような共同作業と言うのは私にはとても新鮮かつ楽しいものでした。作品提出締切り日には、みんなの力作がそろった喜びで、ちょっと祝杯でもということに。ところが、買ってきたおつまみのチーズを食べようとしたらカビがはえていて、時はちょうど「異物混入」ブーム(?)、作品集完成祝賀ムードもそっちのけで、どうやってメーカーにクレームをつけようか、訴えたら慰謝料で新しいプレス機買えるかも、なんてバカな話で盛り上がったのが一番の思い出です。とりあえず私はカビのところだけ避けて、ぱくぱくと食べました。(つづく)


3月16日(日)

 別に陽気のせいではないのですが、最近大きい作品をつくりたくなってきました。この頃はあまり団体展や公募展にだしたりしないので、あまり大きいのを作る必要がなかったのですが(そのために、大きさかえて作るのもいやだったし)、そういうのでなく、ぱぁーっと大きいものを刷ってみたい気がします。といっても、私の「大作」は公募展などでの大作に比べるとまだまだちっちゃいのだけど。

 それに団体展とか公募展などは、結局見る側の人にとっては関係ない世界だし、特に私のように、ずっと版画は学んできたものの、版画専門の教育機関にはいたことがない私には縁遠い世界でもあります。ちなみに、専門教育機関にいなかったのに、先生には恵まれていました。でも、海外の公募展などのカタログで海外の昨夏の作品を見るのはたのしいですね。みんな自由に作っているようでも、やはりお国柄というか「ある画風」というものが存在するような気がします。と、そろそろ公募展の季節なので思ってみました。「ある画風」といえば、美大にはいった時、たいていの人は研究所といわれる美大専門のプレップスクール出身なので、授業でデッサンをみると出身予備校がすぐわかるのがおかしかったです。でも、学生時代のデッサンはともかく、自分の画風、作風というのを追求していても、いま自分がいる時代や社会の影響を免れる訳にはいかないものなのでしょうね。ときどき、ぜんぜん違う時代、社会、慣習で生まれ育っていたら今のような作品を描いているだろうかと、空想することがあります。その前に、絵を描いていられるような状況であってほしいものですが。でも原始時代に壁画描いたりするのはちょっといいなぁと思います。

 ところで、来月4/10(木)〜4/29(火)に札幌のカフェで、ちょっとした作品展をする予定です。また近くなったら詳しい告知をする予定です。(つづく)


3月22日(土)

 とうとう戦争になってしまいました。アメリカン・コミックのヒーロー「スパイダーマン」の映画では、スパイダーマン(の青年)は、育ての親であるおじさんの言葉『With great power comes great responsibility』を深く胸に刻み、以後、世のため人のために生きることにしました。自分が一番だから回りのやつらには耳はかさないよっていうキャラによる「正義のヒーロー」ものだったら、面白くないよね。「スパイダーマン」もすごく面白かったわけじゃないけど。でもスパイダーマンご本人が自分の衣装を決めるのにあんなにスケッチをかさねていたとは知らなかった。いやご苦労ご苦労(笑)。

 ところで、先週ちょっと予告した札幌のカフェ&ギャラリーでの個展ですが、トップページでもお知らせしてるとおり、すこし会期がのびて4月10日(木)〜5月6日(火)となりました。お近くの方はぜひ見に行ってみてください。

 さてさて今月の作品についてですが、この作品は、まず一番最初に決めたのは色でした。なぜ色が先になったのかというと、先々週に書いたように、この作品ははじめ仲間との作品集のために作ることにしたもので、まずカラフルであることに加え、ちょっと遊び心を加えて、当時のラッキーカラーなるものを調べて集めてみたのでした。でも結局は黄色とかピンクとか水色とかいつもの私の作品にはお馴染みの色ばかりだったのだけど、それで色のコンポジションから組み立てて、あとから絵を当てはめた(というか、その構図から自分にみえてくる絵を抜き出した)のでした。ヘビ自体はその前の年の作品にもでてきたり、ぐるぐるしているイメージ、細長い紐のようなイメージが当時の私の作品によく出ていたものです。個展での発表でいうと、昨年末ので発表したものですが、作品の流れとしては、前々回の個展の方が内容はあっていたかもしれません。このコーナーでも紐のようなイメージについては何度か書いているので、この3連休いくとこもなく、戦争のニュースにも飽きたという方は読んでみて下さいね。(つづく)


3月31日(月)

 お花見シーズン到来。上野公園の大規模かつ猥雑なかんじの花見より、ピクニックっぽい方が好きです。新宿御苑などは入場料が必要で夜間は開いてないというのもあって、団体客もひどい酔客もいないのでお気に入りです。それにしても上野公園のあのブルーシートはなんとかならないですかね。あの不粋さの上に座して花を愛でるには、かなり気持ちを切り離さないといけない。あと提灯。あれもいやだな。と文句をいいつつ今年は上野に行く予定。

 今月もまたあっという間に終わりです。作品を作る時にどういう色をどのように配置するかについて最初に考えることが時々あります。今までの作品を見返してみれば、やはりよく使う色、あまり使わない色というのはあって、考えてるわりに結局いつもと同じだったりするものの、最近は、今月の作品のように、まず色がどのように見えてくるかということを考えています。この絵は何について描いてあるのか、ということはさらに分かりにくくなるかもしれませんが、ちょっとそれはおいといて(笑)あまり意味というものを考えないで作ってみる、というのが最近の制作目標です。

 私は日頃とにかく考え事や物思いに耽るのが何より好きで、その中から生まれた自分なりの空想の世界観みたいなのを、このように絵という形に起こしているのですが、もちろん周りの世界から離れたいわけではないので、周りの世情をみるにつけ、人の思考とその成り立ちについて難しさを感じています。べつにそれで作品作ってるだけだから、私の場合はそれほど他人様にご迷惑はかけていないはずですが。版画のような平面作品は、とにかく一目で何があるのか分かるので、映画のように2時間近く座ってみる必要もないし、本のようにページをめくらなくてもいいし、インスタレーションのようにぐるぐる動いてみて回らなくてもいいし、ゲームのようにコントローラーをいじらなくてもいい。そんなわけで(もちろん、平面作品もじっくり時間をかけて眺めてもいいんだけど)一目見て色と形が飛び込んできて、見た人の心にすぐ答えがでてしまう(「好き」とか「嫌い」とかでもいい)ような作品を見たいこの頃の私なのです。今月はここまで。