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   No.28・April 2003

"relazione" <<つながり>>

ed.30, 20cmX14cm, lithograph, 1997

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4月1日(火)

 桜の季節にすごく一年という時間を意識しています。必ず、来年の今ごろは自分はどうしているんだろう、そして去年の今ごろそう思ったのと今の自分はどうなっているだろう、みたいなことです。お正月はそれはそれで気持ち新たに一年を始めるのですが、自分の中のつながりを確認するのは桜を眺めつつ考えることがおおいです。

 桜の開花が、平年並みだとかいろいろ言われても、だいたい同じ時期に花が咲くという当たり前かつ偉大なことに敬意を感じるというだけでなく、自分にとって同じような一年でも、ちゃんと積み重なってつながっていく一年にしていきたいという願望もあるのだと思います。

 というわけで、桜の季節の今月は、昔の作品ですが「つながり」つながり(笑)で「relazione」にしました。色はともかく、モチーフやフォルムなど、最近の作品にはさっぱり出てこなくなった自称「ラブリー系」ながら、わりと自分で気にいっているもののひとつです。制作当時の記憶はかなり薄まっているものの、いろいろ思い付くことを書いてみたいとおもっています。(つづく)。


4月6日(日)

 昨日の冷たい雨(雪になったところもあるらしい)で、桜は満開から一気に散りはじめてしまうのかも。一週間かそこらの出来事ながら咲けば散るのが道理だけでは済まないのがお花見なのだろうか。といいつつ、なんとかプチ花見に間に合いそうです。

 「ラヴリー系」なこの作品ですが、このように葉っぱやらパターンを並列させている作風の後期だと思います。その後の、作品意味合いを求めるような考え事大好き以前の、見た目重視ではあるのですが、それなりに漠然とした通しテーマみたいなものはありました。やはり大きな地図のようなものではあったのですが、おだやかなハッピーなところ(そうありたいという気持ちと、そうあるべきだという気持ちと)というそれほど具体的ではない地図です。どうしてこういうものを描きたいのか、また何を描きたいのか、ときっと考えはじめた頃でもあり、結果的にこのような作風は消えていきました、とはいっても、私の中でこのような変遷、意識の移り変わりというのがあるだけで、はたからみれば、それほど今と変わり映えしてないかもしれないけれど。考えること自体が好きだと気がついたのは最近のことですが、またさらにもっとつい最近は、またある意味では見た目重視に回帰しつつあります。ながわくば、おおきな螺旋のように、同じようなことをくり返しているようで、きちんと積み重なって進化していてほしいものです。(つづく)


4月13日(日)

 先週から、札幌での個展がはじまりました。残念ながら札幌には行ったことはないのですが、食べ物はおいしいらしいし、これからの季節はいいらしいし、春になっても花粉症もないらしいし、いいですね。お近くの方はぜひ足をのばしてみてください。作品達は私のかわりに、たのしいサッポロの日々を満喫しているようです。ちなみに今月の作品「relazione」も出品してます。

 旅する作品といえば、国内海外問わず版画の公募展などに応募するときは作品が折れないように、筒状のケースにいれて発送(そして帰ってくる)します。ちょうど使い勝手のよい筒があって、改めて見てみると、あちこちの国の消印やら発送票やらが貼ってあって、私よりあちこちいいとこ旅していることに気がつきました。なんかうらやましい。旅先で作品がいろんな方と出会ってくれているのでは、と期待したくなります。

 このサイトは毎日チェックしてるので、毎月の作品はおのずと自分でも毎日見ることになっているのですが、今月の「relazione」をみていて、去年ごろ自分で考えていたことの「原形」があるとこに気がつきました!(<一応、自分としては『発見!』なのでびっくりマークつけてみた)。昨年の夏ごろにこのサイトをリニューアルした時に「fantafonte」と命名したのですが、絵のまん中の水色のところ、そしてそこから雨が降っているところが、わきあがる泉であり、雲でありというfantafonteのイメージであることに気がつきました。泉であり、雲でありというのは、去年おととしあたりに、自分の中の作品のモチーフ(アイディア)として考えていた事なので、この作品を作っている時には、今よりモチーフが具体的なわりには、アイディアはそれほど具体的でなかったのを考えると、どうしてこれを描いていたのだろうと不思議な気がします。ふぅむ。(つづく)


4月21日(月)

 ぼんやりとしているうちに、お正月もおわってお彼岸もおわって桜も散って4月ももう後半。GWどうしようかな、と思っているうちに、きっと6月ぐらいになってる気がする。しかし、先日『彫刻刀研ぎ方教室』に参加し、著しく研ぎの技能がアップし(あくまで自分比。今までがひどすぎたともいう)、なんかめずらしくやる気に満ちあふれている私なのでした。

 もともと版画はリトグラフだけで、木版画は数年前からはじめたので、以後ほとんど勝手流なのですが、彫刻刀がうまく研げずに本当に困っていたのでした。いざとなれば、研ぎ屋さんにお願いする手もありますが、やはり自分の道具を自分で面倒みられないのはむなしいものがあります。版画は「道具」に左右される部分もおおきく、せっかくだからといい彫刻刀を使っているのに、どんどん減っていく刃先(研ぐ>余計切れ味わるくなる>研ぐ>また切れない>仕方なくさらに研ぐ、という過程による)を見ると申し訳ない気分になります。しかし!さがせばあるものですね。彫刻刀研ぎ方教室。結局のところは「経験をつむしかない」ので、あくまで基本の一歩なのですが、あまりにもスタートラインが低いので、その一歩は本当におっきいものでした。

 ひさしぶりに(私にしては)大作をつくったあと、今度は久しぶりにリトだけの作品をつくろうかなと思っていたのだけど、せっかく刃先がつんつんしている彫刻刀をつかないのももったいないなー。と思うのでした。(つづく)


4月28日(月)

 ゴールデン・ウイークいかがお過ごしでしょう。だいぶ暖かくなってきたという札幌近くにお住いの方は6日までカフェ・ルネさんで個展をしているので、ぜひ遊びにいってみて下さいね。そろそろ桜もいい頃だそうで。季節としては寒くなりはじめが一番やる気がでるのですが、やっぱり日に日に緑が濃くなるこの季節もいいですよね。いっぱい空気を吸いたくなります。

 今月の作品のように作品としての良し悪しはともかく(?)、何年たってもけっこう好きな作品というのがあるのは、制作を続けていく中で、わりとうれしいことではあります。もちろん、どの作品も愛着はあるし、また一方、日々精進、Next time,definitely、の心づもりも大切なのは言うまでもありません。この作品がなんで好きかというと、ちいさい世界なんだけど自分の中では奥行きというか空間がはっきりしていて、その中でモチーフ同志のつながっているように見えるからかな、と今にして思うのですが、それがちゃんと表現できているのか、自問すべきことでもあります。そして今ならたぶんこういう作品は作らないな、とも思います。それがイケナイという訳ではないのだけど。うまく書けないのだけれども、いい意味でも悪い意味でも、やっぱり昔の作品には昔の自分にしか出せないものがあるのだと思います。いろいろ失いつつ、いろいろ手に入れつつ、でも同じ自分を見つめて作り続けていくとどんなになるのか。ほんとにどんな感じになるんだろう。(他人事みたい?)。なんて思いながら、のんびりG・Wを過ごす予定。