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   No.33・September 2003
かめさんをおっきくしてみよう!

"BOBOLI" <<ボボリ公園>>

A.P., 47cmX36.5cm, woodcut, 1999

画像をクリックすると大きく見られます。

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9月1日(月曜日)

 なんとなく今年の人生立て直したい気持ちにかられる9月です。さわやかな初秋であってほしいです。今月の作品は、先月の予告通り(?)これと決めていました。ちょっと色使いやらいつもと違う感じですが、何度か以前にもでてきた99年の木版画ワークショップに参加中に制作したものです。ボボリ公園というのは、イタリアはフィレンツェにある庭園です。高台までいって、ぼーっとしながらスケッチしたりして、自分の中にたまった印象を「思い出のアルバム」に撮りためた写真をコラージュしていくような感じでこういう作品になりました。

 リダクション・プリント(彫り進み法)の木版画ワークショップだったのですが、私の場合一般的な日本人の小学生レベルの木版画の知識と道具だけで、向こう見ずにも参加したわけなので、かなり大変な思いをして制作しました。愛するイタリアの地で、作品しか見知らなかったカレン・クンクさんという版画家ご本人から教えていただけるとあって、思わず申し込んじゃったのです。彫り進み法というのは、色の数だけ版があるのではなく、1枚の版木を彫っては刷り、そしてその版木をまた彫って違う色で刷り重ねていくものです。なので、必要な枚数分はその都度刷り上げないと次に進めない上に、もちろんやり直しもできません。現地で制作した3点のうちの最後のこの作品は、リダクションの2版使い(ネガとポジのように2枚の版をそれぞれ彫り進めていく)で、ほんとうに頭が混乱しました。正直言うと未だによくわかっていません(笑)。一応、リト中心とはいえ版画の経験はあるので、刷り上がりが逆になるとか、版ごとにべつべつに絵をつくって刷り重ねた出来上がり予想図をちゃんとイメージできたりはするのですが、それでもほんとにちんぷんかんぷんでした。

 今年のヨーロッパ猛暑ほどではないにしろ、7月であつかったし、美術館めぐり小旅行などのイベントももりだくさんで、小学生用の彫刻刀セットしかもうまく研げてないやつで、それでもとにかく彫って刷って制作するというのは私の人生の中でも1、2を争う忙しさだったように思います。もちろん楽しかったし、ものすごく有意義だったのはいうまでもありません。ちなみに、現在私がリトグラフと併用している彫り進み法は1版しか使っていません。2版使いに再チャレンジしたいのだけど、いや、ほんとうに難しいんだってば。(つづく)


9月7日(日曜日)

 セミとコウロギの声がミックス状態。最近は例によって考え中モードなので、ちょこちょこと小品を作っています。今まで使ったことのない紙も買ってみたし、作業手順もすこし試行錯誤したりで、作品内容をおろそかにするわけではないけれど、単純に「版画」をつくっています。

 考え中モードなのは、版画はふつうの絵の具などで描く絵とくらべると、いろいろな制約もあり、だからこそエッセンスを汲みとるような又または削るような作業が大事だと私は思っているのです。ちょうど物語と詩のような感じに。でもやっぱり物語的なものをしっかりと捕らえた上で詩にしたいと思うのですが、その加減を考え中なのです。なんかむずかしいですね。また同時にそういう「加減」のことを考え過ぎるのもへんな気もしたり。と、なぜか悩み告白モード。

 私も少し本の表紙のお仕事などをしたことがあるのですが、自分が見る側になっている時、まず「きれいな表紙だなー」と思うだけの挿画が、話を読みすすめていくうちに、ふとまた表紙に目をとめると、急にその話の中に感じる世界がぎゆっとつまっていたことに気づかされる装画がありますね。ストーリーのある場面を描いたのでもなく、イメージカットというわけでもなく、頭のなかのヴィジョンの空気がここ(表紙の絵)にあらわれていて、びっくりすることがあります。感じ方はひとそれぞれなのでしょうが。

 そんな感じで、自分の中にあるまとめきれない物語にうまく表紙の絵をつけたい、という感じで作品をつくろうと思っています。この「BOBOLI」はあとから思うと成功した方かもしれない。つまり、あまり考え過ぎない方がいいということなのかも?(つづく)


9月12日(金曜日)

 いまごろですが、今日から夏休みをいただくことにしました。気温的にはここ数日の方が夏らしいかもしれない。このサイトもお休み明けまでちょっと更新をサボってしまうのですが、かわりにBBSの<fantafonte  B−side>の方に、随時かきこみをする予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。10月のはじめ頃に復活予定です。

 ということで、置き土産(?)として、今月は「夏休みの思い出」作品をご用意したわけなのでした(なので、先々月から9月はこの作品と決めていたのです)。制作中だった作品(考えないで作ってみる)も仕上げたし、先週からの考え中モードも、ちょっとお休みして、またリフレッシュしていろいろ考えたり出来るようになりたいです。リフレッシュとはいえ、もともと余りストレスフルな生活はしていないので気分転換する必要もないともいいますが。

 やはり、今月の作品のように「仕上げる」ことをあまり気にしないで、絵の中のことだけを考えた作品はやはりあとからみると楽しいです。制作当時はやはり荒さとか版をあつかいきれない部分が結構気になってしまっていたのですが、ほんとにそれは小さいことなのかもしれない。とりあえず、この時よりは、彫刻刀もいいものになったし、彫り方も、そして彫刻刀の研ぎ方も進歩したように思います。でも、色味が、やはりこの時の勢いみたいなものは、つながらなかったかもしれない。色に関してはその時々の好きな色というのがあるので、仕方ないのかもしれないけど。

 今月はこういうわけで作品について、多くを語れないのですが、そのかわりと言ってはなんですが、画像をクリックすると大きくみられるようにしてあります。また小さいかめさんのどれか(よく探すといますよ)もクリックすると原寸大以上に大きくなります。みてみてください。

 それでは、今月のつづきは<B‐side>にて。皆様からの書き込みも歓迎です。チャオ。