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   No.35・November 2003

"Teatime" <<ティータイム>>

ed.1/5,75cm X 53cm, lithograph and woodcut,2003

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11月1日(土曜日)

 先日ニュースでクリスマスツリー点灯の話題をみて、もう自分がそんな季節にいることにがく然とする。毎年のことですが。秋の夜長にそんな自分の1年(まだ1/6残ってますが)を振り返っておかないと、もうお年玉付き年賀状発売とか世間の波に流されてしまうかもしれない。といいつつ、毎年あまり世間にながされることもなく、過ごしている自分であった。これでいいのか。

 というわけで、今月は、秋の夜長にのんびりお茶でも飲みながら・・・ということで、お茶の絵です。お茶一杯の絵のわりにはやたらとでかいんですが(サイズ参照)、なぜかこの大きさで作りたかったのです。この作品を前後して、なぜかお茶もの作品を続けて作りました。大きさはバラバラで、この大きさのものから10cm各の大きさのものまで、まちまちです。なぜお茶なのかというと、お茶自体にそれほど私はこだわりを持っているわけではないのだけど、お茶を飲んでいる時間ということです。お酒でもいいのだけど、お酒も飲まないわけではないけど、それほど私の考える時間に添うものではないので、お茶です。お茶とともにマグカップのようなものに、自分が考え事したり、だれかと語り合ったりする時間のシンボルみたく感じることもあったりします。(一昨年あたりの作品"tazze e pace "参照)。そんなわけで、ただマグカップやお茶そのものの描写でなく、なにかそういう自分にとっての時間というか考え事の空間みたいなものが出したいなあと思ってつくりました。ちなみに矩形が歪んで見えるのは自分で撮影したせいです。大目に見て下さい。。(つづく)。


11月9日(日曜日)

 みなさん、今日は選挙に行かないと!私はほぼ毎回いっています。私のいく投票所は保育園なので、投票所中かわいい飾り付けがいっぱいです。なぜか先月末は、もう今年も終わりだとあわただしく感じましたが、11月にはいってみると、逆にちょっと冷静に、ちゃんと年内に仕上げておくことをリストアップしようという気になりました。ほんとにやることはやる。できないことはできないってことで。

 最近作りはじめた新作もそうなのですが、もう一つ制作に手をつけはじめた作品も(ふだんはあまり平行して制作はしない方なのですが)、ランドスケープっぽくなりそうです。イタリアで見てきたこともそうなのだけど、BBSの<fantafonte B-side>に書いたのですが、なぜか急にエドワード・ホッパーのカレンダーを選んだりして、とおくを眺める視点の作品になってきました。今月の作品は前後して、「お茶もの」シリーズだったので、視点としてはすごく身近なテーブル上というか、そういう自分が座ってる範囲内の空間での出来事(気持的に)だったのが、ちょっとそこから離れて遠くを見ようという感じです。なんででしょうね。やっぱり外を歩くと視点も変わるのでしょうか。(つづく)


11月16日(日曜日)

 あっという間に一週間だ!本屋で切手特集の「ブルータス」を買ってみた。こっそり切手好きなので、とりあえず立ち読みと思ったけど、イタリアンモードの切手がのっていて(本屋さんでみてみてね)、「こないだイタリアで買ってきたやつじゃん、ふふ(<自慢げ)」と思って購入に至る。ほかにもいろいろのってて、ブータンの切手もかわいいな。私も切手はとっても手ごろな値段の小美術品として、とくわけ旅先ではよく買うのだけど、今回のイタリアも素敵なものがおおくて、ブランド品の小物買えるぐらい、いろいろ手に入れてきました。

 そのイタリアンモード切手もなかなかオシャレなのだけど、やはり今回一番気にいったのは、チマブーエの十字架のもの、切手の元の作品があるアレッツォまでいって、消印つきで投函したのは、よい思い出です。(BBS参照)。なにより無事についたし、消印の位置も絵の邪魔にならずかつ、いい位置。切手も好きだけど、それを送って、旅してきたものを手に入れるのがまた楽しいです。

 版画作品もたまに海外の公募展に応募することがあるのだけれど、落選しても(泣)、自分の作品が海外へ旅して返ってくるのは、なんか楽しいものです。作品をいれるチューブもいろんな国の消印やら、送り状やら、スタンプやらついて、だんだん旅の思い出がつまってくるのです。ところで、そのチューブを保管中に間違えて処分した某公募展主催者のみなさん、どれだけ私ががっかりしたかわかってもらえるでしょーか。。

 さて、と。今月の作品を含む「お茶」シリーズについて(自分のためにも)まとめておかなくては。最初のお茶ものの"tazze e pace "は、時期的にいうと確か911の頃で、いろいろと自分なりに考えさせられたり、それについて友達とおしゃべりしたりしていたことが元になっています。話の内容と、結局お茶してる安全なところにいる自分(コーヒーカップに一口分のこってるコーヒーをくりくりと回して、その波紋をのぞきこみつつ)とのギャップみたいなものが、自分に一番ぴんとくる「平和」なのかも、なんて思ったりしたことから始まった作品です。最近の「お茶もの」シリーズはそこまで具体的なバックグラウンドはないのだけれども、わたし自身があまり行動しない人間なので(イタリアを除くインドア愛好家だし)こういう、こもっている自分の状況の反映だったのかもしれない。のんびりした絵にみえるけど、気持ち的に、とどまっていたのかもしれない。と、最近になってみると思うのだけど。どんなもんでしょうか。また一週間良く考えてみます。(つづく)


11月23日(日曜日)

 今月の作品をはじめ、今年は「お茶もの」シリーズの作品がけっこうあることに気がついた。さっき作品の整理をしていたのだ。いつものことだけれど、どうしても私の作品は同じものを見ているようでいて、かなり変わっていってしまう傾向があって、自分では最近、そろそろちゃんとした方向性を示せるのではないだろうかと思っていたのだけど、今年の作品を振り返ってみても、あんまりそうでもないことを目の当たりにした。頭のはじっこでは、もう年賀状どうしようと考えている部分もあって、来年の個展では、ある程度ちゃんとしたものを示したい、など頭は来年を向いてしまっている。でも、ちゃんと今年のことを自分なりに整理しておかなくては。今年の汚れ今年のうちに、とコマーシャルも言いはじめる頃だし。

 というわけで、今年はほんとにお茶(およびマグカップなど)をモチーフにした作品が多かったのです。今年は、ふだん版画制作をしている工房だけでなく、やっとやっとやっと自宅でもアトリエの準備ができて、とりあえずプレス機のコンディションをみるためにも(数年前に古いプレス機を大学から譲ってもらっていたので)小品をいくつか作ってみたのでした。そんなせいもあって、ふだんはわりと制作に時間がかかるので、1点つくっている間に、心にある風景も視点が変わっていっていくのだけれど、わりと視点がかわらないうちに、まとめて作品という形することになったのでした。本当は、このよりもっと早いペースで作品をつくっていきたいのだけれど。それに平行して作品を作っているのも、わりと頭が混乱するかとおもったのだけれど、ちゃんとフィジカルには合理的にすすめられるのだということもわかった。制作作業自体はとてもクリエイティブで、効率ではかれるものではないのだけれど、自分をそういうクリエイティブな環境におくための前段階はとても効率よく生産的に、自分がそういう位置にいけるように配慮することがとても大事なことなのだと思うのでした。特に私は根がぐうたらなので、特にそれは大事です。てきぱきしよう。年末も近いし。(つづく)