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   No.36・December 2003

"uccello" <<とり>>

ed.1/10,10cm X 10cm, lithograph,2003

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12月27日(土曜日)

 初雪@東京でした。昨夜おそく雨が降り出したのは知っていたけど、雪ふったのはお昼のニュースをみて知る。午後は銀座などにいってみたら、すっかりお正月飾りになっている。毎年、街頭の(とりわけ繁華街の)クリスマスからお正月への変わり身の早さにはいかがなものかと思うけど(この「いかがなものか」という言い方も好きじゃないけど)、その前に早く用事かたづけなよ、と自分に叱咤激励。アトリエがとにかく片付いていないのだ。自分しか使っていないのでそれほど汚れていないものの、ものが散乱する物置きの中で作業していたようなものなので(年賀状はそういう状況で刷られたのでした)、なんとか年内にかたづけたいです。でも、こたつで年賀状の宛名書きする。

 だらだらと今年の制作総括をつづけていますが、結局のところ、いろんな意味で、視点が近い作品および制作態度だったので、作品になってあらわれたものは、普段のわたしが思っているよりも多面的ななかったように思いました。ちょっと話の意味がよくわかんないかもしれないですけど(自分でもわかってないかも)、テーマ的に共通点のある作品群は多いものの、自分にとっては、ひとつひとつの側面があっちこっち向いたままなので、今にしてみると、ちょっと個々の作品がバラバラなような気がするということです。もちろん反省材料は常に多々あるものの、だからといって、今年制作したものが、自分にとって良くなかったということでは全然ないです。外からの評価での良し悪しはわからないけれど、これは自分ではどうしようもないし。

 来年はもうすこし、一つの作品の中に、多面的な視点があるような感じにしたいです。また来年もがんばります。今年もおつきあいいただいてありがとうございました。皆様も良いお年を。

 新年より、サイトリニューアルの予定ですが、このコーナーは今までどおりつづきます。来年もよろしくお願いいたします。橋本尚美。


12月21日(日曜日)

 今年もあと残すところ10日あまり。とりあえず年賀状の版は出来た。でもまだ一枚も刷ってなくて、技法的にもまだよい解決法がみつかっていない。でもこれが例年通りの進行状況ともいえる。年賀状を除けば、今年の版画制作は一応終了しました。今年ラスト作はリトと木版の併用で、来年へ向けて(今年おおかった身近なモチーフと違って)wide viewなものとなりました。

 で、今年多かった作品について、モチーフ的には何度か書いてきましたが、もうひとつ特徴的(と思われる)のは、コンポジション的なものが少なかったことです。今月の作品のように「とり。以上。」という直球(?)型です。初期の作品はほんとうにいくつものモチーフを一つの作品に注ぎ込んでいたのですが、ここ数年その傾向から離れてつつあるものの、今年はとりわけ意識して離れてみようとしたのでした。それが達成できたか、そしてそれが今年生まれた作品たちにとっていい事であったかはともかくとして、そうやってみて初めて見つけた視点から出てきたのが、04年型wide viewなのかもしれないです。なぜその傾向なのかというと、自分の描きたいものを描いている一方で、それはほんとに自分が描きたいものなのだろうかとか、自分の描きたいものは一体何?という気持もずっと一緒にあるのです。私の作品はたいてい「色柄もの」ですが、だからこそ常にほんとに色柄で終わらないような「訓練」をしておかないといけないと思ったのでした。根底にある作りたいもの(見たいもの)はほとんど変化はないのだけど、それをどんな視点でみて、どれだけピュアな状態でその時の自分から抽出して、作品にしていくか、それは今年も来年も変わりなく長期的パースペクティブなのですが、同時に短期目標、中期目標などもかかげつつ、なので、また数年先にはモチーフ盛り沢山な作品を作ってるかもしれない。とりあえず今年の総括は「自分の身の回りにあるものは、自分の身の回りにあるものだけじゃない」という自分でもよくわかったようなかわらないような発見でした。(つづく)


12月15日(月曜日)

 予定よりちょっと遅れて年賀状の準備をはじめた。といってもまず用紙を買って、肝心の絵のスケッチが出来上がっただけで、まだ版もぜんぜん出来てない。昨年は久しぶりにプリントゴッコでぱたぱたと作ってみたのだが、今年はリトで作ろうと思っている。しかし手法的に今までやったことないことをしようとしているので(私がやったことないだけで、特に大変なことではないけど)、もしプリントゴッコの年賀状が着いたら、版画は失敗したと思ってもらってもいい。

 今年を総括するはずの今月の当コーナーですが、年賀状の下絵を描いていて(今のところ、12パターンあります)、いつも年賀状が旧年の思い(?)をまとめつつも新年の作品作りの予告編のようになっていることに気がつく。一応、新年の新しい自分の表明ともいえる年賀状だけれど、もちろん、年頭にその年につくるものが全て思い浮かんでるわけではない。でも、その年にでてくるモチーフが垣間見えていることも少なくない。今年の年賀状で言うと、やはり身近なものをたくさん描きこんでいたのだが(メインモチーフは旧年のテーマだったけど)、実際にほぼ一年すぎてみて、たしかに今年を「予言」していたように思いました。それまでは、モチーフ的にももっと抽象的で大きなイメージのものが多かったけれど、とにかく具体的なもの、あんまりふわふわとしていない事を求めていたのかもしれない。その前年がかなりふわふわした空想の世界がメインテーマだった事の反動なのでしょうか。新年賀状にも、今年のモチーフやマチエールを引きずっている部分もあるけれど(たぶん今月の作品のようなテイストはやや続くと思うが)、かなり今までと描きたいものが変わったように見えます。とはいえ、年ごとに何かを変えようと思っているわけではないのだけど、年賀状は普段の作品とはちょっと離れた視点で取り組めるので、ちょうどいいタイミングになっているのかもしれないです。(つづく)


12月6日(土曜日)

 いつの間にか毎日さむい。自転車のるときも手袋と帽子がないとさむい。自転車用てぶくろはよく片方をなくしてしまうので、毎年買っては、どんどん片手だけの手袋がふえてゆく。のこり片方が捨てられない性分なのだ。ちなみにお菓子の箱などもとっておく方。部屋も「年末にどうせ大掃除して片付けるんだし」ということで「片付けられない女」状態。でもたまに悲しくなってちょっとプチ掃除する。来年はすっきり暮らしたい。

 今年の制作活動をふりかえるpart2。いつも刷りかけ&刷りたての作品は洗濯物のように洗濯ばさみで吊って干しています。干すといっても、私がつかっているような油性のリトグラフインクは、乾燥して乾くのでなく、インクが酸化して乾いていくので、わりと急がない時は、しばらく干したままにします。ほんとはドライラックという作品を水平においたまま乾燥できる棚などがあればいいのですが、場所とるし。で、最近つくったものをずっと干しっぱなしにしていたので、さすがにみんなとりこんで、一枚ずつチェックしてタイトルを決めて、一枚ずつタイトル書き込んで、サインをいれて晴れて「完成」となります。右の今月の作品の画像でもみえるように、作品下の左からエディション数(この作品だと、10枚作ったうちの1枚目ということ)、タイトル、サインとなります。これは鉛筆で書きます。タイトルは作品がスケッチの段階ですでに決まっている場合もあれば、なんとなくぴったりくるものが浮かばなくて、作品だけは刷り上がってるのにタイトルが決まらなくて「完成」しない場合もあります。だいたいは、なんとなくイメージが決まっていて、制作の終盤頃にきめることがおおいです。話はそれましたが、そんなわけで、先日、最近制作した作品数点分まとめて、タイトルサインなどいれたのでした。数点といってもそれぞれが、10〜15枚ずつはあるので、ちょっとたいへん。そして、作品のタイトルほかデータをちゃんと記録しておく。これを出来上がった時にしておかないと、たいへんなのだ。でもサインを入れるのはちょっと気持がいい(つづく)。


12月1日(月曜日)

 12月ですよ、奥さん!今月は本年の反省をこめて、今年をふりかえってみたいと思っています。先月もちょっと中途半端に終わってしまったし。この頃さらに運動不足ぎみで、一日のあいだにMissy Elliotの一分間に相当する分も動いてないかもとMTVのヨーロッパ・ミュージック・アワードをのんびり見ながら自問してみる。では今月ものんびりと。

 今年、私にとって版画的ニュースをふりかえってみると(そんな大袈裟なものはないもないのだが)、やっぱり自分のアトリエができたことです。もっと前からセッティングだけはできていたのだれど、色々と道具をそろえたりで稼動は今年からとなりました。でも逆に作業だけできるとはいえ、半物置き状態なので、今年中にちゃんとアトリエらしくしたいと思っています。あとは、技法的なことで、製版の方法を少しかえてみました。これはちょっとまだ研究の途上です。今月の作品もそうなのですが、(webだとよくわからないと思うのだけど)解き墨のマチエールがよりきれいに出るようにして、絵の表現方法もちょっと変わるかもしれない、というところです。他には、紙を変えました。今まではフランスのBFKリーヴスを愛用していて、ほとんどの作品はこの紙を使用してるのだけれど、最近つかっているのは、イギリスのサマセットという紙です。とはいえ、これも私の表現方法と紙があっているかお試し中でもあります。紙、刷り方、などなどいろんなことで、表現がちがってくるのは、おもしろいところでもあり、むずかしいことでもあります。自分がどうしたいのか、まずはっきりしないとイケナイです。というわけで、あわただしい今月のひととき、とりちゃんでも眺めて下さい。

 といいつつ私は、クラフトワークの登場に(まだMTVのヨーロッパ・ミュージック・アワードを見ております)とりあえず頭の中にあったことはみんなふっとんだのでした。言葉もでません。(つづく)