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   No.39・March 2004

"mineral"<<ミネラル>>

ed.20, 10cm X 9cm, lithograph and woodcut, 1999

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3月1日(月曜日)

 まだ寒い日もあるのでしょうが、やっぱり空気がゆるんできたように思います。先日の陽気でつい咲いてしまった近所の桜はともかく紫陽花の小さな若芽などみると、やっぱり地球はぐるぐる回っていると思うのでした。

 今月の作品は昔の作品なのですが、せっかくなので先月の作品の「地面およびその下にあるもの」つながりで、この「mineral」という作品にしてみました。ようするに鉱物ですね。地中と言うか地球やまた人体や、場合によっては麦茶の中にも存在しているものです。あんまり風景とは関係ないのですが、自分なりにつながってるということで、そのつながり具合も含めてお楽しみいただければと思います。ふりかえってみると地中イメージの作品って周期的に登場しているようですが。ちなみにこれはリトグラフと木版を併用した最初の作品のひとつです。

 ちょっとくどいのですが、先月の作品は「月刊美術」という雑誌の毎年恒例誌上頒布企画「版画NOW」で誌上頒布されています。興味のある方は書店でご覧になってみてくださいね。よろしくおねがいします。(つづく)


3月7日(日曜日)

 ほんとに寒い1週間だった。と、書くときっと今週はまたあったかいに違いない。この週末はでかけもせず、こたつにはまって本を読んだり、最後の冬ごもり。来週から春らしく生きよう。

 冬ごもりの最終過程として、なぜかここ10年をふりかえる検証&反省モードにもなっています。このサイトのプロフィールのページに、「この時期はこんな作品を作っていた」というのを加えようとして今だ準備中なのですが、その作業を初めて以来、作品について当時どんなことを考えていたかというだけでなく、作品以外のところでも、何を考え何をしようとしていたのか、年代順に書き出してみたり、昔の日記を読んでみたりしてみました。それで気がついたのは、今月の作品の前ってかなりストイックというか、わりと内向的な見方をしているんですね。作品作りなどしていると多少は常に内向的傾向にはあるけれど、基本的に楽天家ながら楽天家なりに内向度に深度の浮き沈みがあるようだと気がつきました。といってもほんとに「深刻な浮き沈み」ではないです、たぶん。はやく「この時期はこんなの作ってた」ページを完成させたいですね。もちろん、このギャラリートークのページでは、だいたいほぼ制作活動をしているここ10年の作品はカバーしてるのだけど、学生の時の版画作品から年代順にふりかえると、けっこう懐かしさを通り越して痛々しさまで感じる部分もあるけど。(つづく)


3月14日(日曜日)

 BBS<fantafonte B-side>にも書いたように、なぜか生活改善の気運が高まっているこの頃。通勤もしないし、動かない時は本当に椅子に座ったまま動かないし(版画を刷っているときは、かなり運動量多いけど)、良きにつけ悪しきにつけ一人ぼっちの仕事なので、区切りをつけにくい。が、これではいけない!と思う春なのでした。

 もう一回、ちゃんとやるべきこと、やりたいこと、などなど整理してきちんとやろう!と、夏休み前の小学生のようにささやかに一念発起してみた。でも来週のここで、このことについて何も触れていなかったら、それは続かなかったと思って忘れて下さい‥‥。

 作品自体も、ちょっと変わりつつあります。わりと今はスケッチと版だけは増えて、刷るのがちょっと追付いていないので、作品に仕上げるまでに時間が空き過ぎると、気持が変わってしまっていて、版はつくったものの刷らずに作品にしなかった、というのが過去にもあるので、どんどん作業をしたいと思っています。作品の変化といっても、傍から見ると自分が思ってるほどじゃないかもしれないし、わりと画風は変遷してる方なので、いつもの変化なのかもしれない。でも、昔の作品も良し悪しは別にして、いつの時期の作品も自分としては好とはいえど、やはりだいぶ温度差がでてきてしまった感もいなめない。まあ、それらの作品の積み重ねがあって今の作品があるから、どれも大事なのは同じです。ちなみに今月の作品もわりと古いものですが、これと同時に作ったもう一つの作品は、自分の部屋に飾ってあって毎日眺めているので、今月の作品ともども自分としてはあまり温度差は感じないです。(つづく)


3月21日(日曜日)

 寒い。昨日はあまりの寒さと前日忙しくしていたというのを言い訳に、半日こたつから頭しかでていない状態で本を読んですごし、さすがに怠惰なので夕方からプールにいってちょっと泳ぐ。春分の日といえば、古代の人は、巨大神殿窟の奥の壁まで、この日の朝日だけが差し込むというような、特別な一日だったりしたのに比べると、かなりスポイルされた現代人である。

 なんとなく省み続けているこの頃ですが、自分の今までの作品もたまに眺めたりします。といっても全部広げることは不可能なので、今までの全部の作品をファイルにしてあるのでそれをみるのです。このサイトで毎月作品をのせる時も、月末の更新準備の時に「来月はどれにしようかな」とながめたりします。いちばん黄色が多くつかわれているはずなのですが、やっぱり赤、ピンク、黄色が目立ちます。黒い色はほとんど出て来ないので、今月の作品は色味的には私としてはとても珍しい方かもしれない。色についても今いちばん考えていることの一つです。特に最近の作品は赤が多いので、これ以上同じ様な色味ばかりだと、個展の時に会場中がまっかになってしまうかも、なんてことも思ったりします。色と形。今年の私にとって要注意ポイントなので、いいかたちで作品にまとめたいと思います。

 というわけで、先週宣言した「生活改善」ですが、順調とはいえないまでも(まだ一週間だと言うのに)まあ続いています。というか続けなくては。いままでに比べると集中しやすい環境になったかもしれない。ひきつづき頑張ろう。それから、バイオグラフィー(プロフィール)のページを少し改良しました。(つづく)


3月28日(日曜日)

 東京は花見日和の週末ですが、近くの桜並木まで行ってみたらまだ3分咲き程度。夜遅かったけど、それほど出来上がっちゃってる人たちもあまりいない。桜の季節、今年もまた「来年の桜の頃には自分はどうしているのだろう」と思い、前の年と変わってない自分をちょっと恨めしく思う。ほんとに来年の今ごろの自分はいかに?手相見のおぢさん@香港の話を信じたいところだけど。

 花見といえば、通っていた高校が桜が多い公園に近くにあったこともあって、高校生の頃お花見はかなり楽しみなイベントでした。今は公園での煮炊きは禁止されてるようだけど、前日から美術部の部室のコンロでおでんを作って(近くにおいしいおでん種屋さんがあった)当日は七輪でを持っていってさらにぐつぐつ。公園内にたなびくおでんの香り、しかも反論も多いかと思うけど(?)かわいい女子高生たち(当時)が、おでん鍋を囲んでお花見しているので、見ず知らずの方たちからもお寿司やらおつまみやらいろいろと差し入れを頂いて、かなり豊富なメニューのパーティとなっていたものでした。当時の美術系志望の私たちは変わっているユニークであることにかなり執念を燃やしていたり、愛読書はビックリハウスや村上春樹で、音楽もヒカシューとか熱心に聞いていたり(かなりライブにも通っていた)、自分達を大人びていると思ったりしていたけれど、今にして思えばほんとにふつーのかわいい(まだ言うか)高校生だったと思います。やっぱりお花見で一番思い出すのはこんなことです。

 で、また今月も作品の中身の話がおざなりになってしまいそうなので、少し。制作時期でいうと、corrente(イタリアの木版画ワークショップで作った)の次、stringと同時に作成しています。というわけで、前にも書いたように、リトグラフと木版画の併用作品としては初めてのものなので、どちらかというと作品内容より、技法的な方に気をとられやすかったのですが、前作が木版画だけで今までの作品と切り離して考えたり制作できたりしたのもあって(なにしろそこはイタリアだったし。correnteの前に現地で作ったBOBOLIなどはほんとに当時なら絶対に使わない色ばかり使っている)、この作品もまだその傾向がみられます。小さい作品なので木版部分はばれんで刷ってみたり、リトと木版の色の重なり具合が結構新鮮でした。またイタリアで使った木材はかなり木目の荒いものでしたが、これはシナベニアを使っているので、あまり木目に主張されずに、リトのマチエールとも協調できたのだと思います。

というわけで、今月はここまで。来月の自分はいかに?!

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