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   No.42・June 2004

"Three-story Sky"

<<3階建ての空>>
ed.10, 24cm X 57cm, lithograph and woodcut, 2004

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6月1日(火曜日)

 そろそろ梅雨入りの気配。しかももう6月だ。先月末も書きましたが、我がウェブサイトは、アドレスもwww.fantafonte.comとして気分一新。来たる秋の個展に向けてがんばろーと思っています。お手数ですがブックマークを変更していただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。

 先月にひきつづき、今月も新作にしてみました。色としてはあまり梅雨っぽくないのですが、遠い上空の空と、地面にいる自分から見る空と、その間をつなぐ、まん中にある空に雨が降ってる(ような)絵です。タイトルそのまま3階建てな空です。実は先月の作品より先に作っているので、先月作のイメージはまだ意識していないはずなのですが、こうして書いてみると、なんとなく記憶の片隅にのこっていたのだろうか、と思う。なるほど(自分で感心してどうする)。


6月6日(日曜日)

 先週、そろそろ梅雨入りの気配と書いたのにわりとお天気よかったですね。今週こそ梅雨入りでしょうか。暑がりなので蒸し暑い梅雨時は苦手だし、湿気るのもやだし、雨自体やっぱりあまりすぎじゃないわりに、雨がモチーフの作品がなぜか多いのは、なんでだろう、とふと思う。

 タイトルに雨がでてくるのは「Mappa di Pioggia(雨の地図)」「 Casa di Pioggia(雨のいえ)」「 Piove(雨ふり)」 の3点ぐらいだけど、空の雲と地上の自分をつなぐような役割で雨っぽいモチーフが出てきているのは結構多い気がする。 「Circolazione(めぐるもの)」などです。あとお天気に関するものでいえば、先月の「Meteorologist(気象学者)」「Che Tempo Fa?(窓をあけて空をみる)」というのもあります。ちなみに「Che Tempo Fa?」とはイタリア語で、「どんな天気?」という意味です。大抵日本語のタイトルもついているけれど、原題を訳しただけではなかったりします。で、今月の作品は、まさに「つなぐ雨」です。でも、絵としてはじとじとの雨でなくて、雨はあるけど、空も地面もサラサラしてるつもりです。(つづく)


6月13日(日曜日)

 梅雨まっさいちゅう。先週はいろいろと考え事をしたりして、いそがしかったような、いそがしくなかったような。サイトがYahooの「イラストレーター」カテゴリにも登録されてアクセスカウンタはくるくるしていたらしい。それに合わせたわけではないのだけど、作品販売のご案内をするページをつくりました。「shop」のコーナーをみてみてくださいね。

 ところで、今回の更新まで、今月の作品はリトグラフ作品だと紹介してありましたが、リトグラフと木版画作品でした。うっかり。「2階」の雨の部分などは木版なのです。最近は、木板リトグラフという、ベニヤ板を版材に使いつつも技法はリトグラフという手法が多いのですが、私の場合は普通のリトグラフ(元来は石を版材に使うけど、現在は一般的にアルミ板などをつかいます)と、普通の木版を併用しています。最初、木版を取り入れた時は、彫りすすみ法といって、同じ版を彫っては刷り、また彫っては刷り、という技法が中心だったのだけど、最近はあまり木版自体の版数はすくないです。リトグラフのマチエールをより見せたいというのもあるし、広いフラットな色面が欲しい時には、リトだと発色がよすぎてしまうので、木版で軽めな色面を取り入れたりする感じが多くなりました。今回の作品は特にそうです。そんなわけで、最近は彫刻刀の出番もちょっと少なめです。またちゃんと使わないと、研ぎ方がまた下手になってしまうかも。

 技法的にしっかりと突き詰めたいと思うのと、技法的なことに「逃げ」て、ただの研究発表会になってしまうのも嫌だしと思うのと、アンビバレントな課題です。技法的なことじゃなくて、なんにつけアンビバレントになりやすい傾向があるのかもしれない、と梅雨じめじめでやだなぁ、と思いながら雨の絵をかくのでした。すっきりしたい。(つづく)


6月20日(日曜日)

 お天気がよくて気持ちのいい一週間だった。今週からまた雨かな。暑くなってくると、やはりプールが混んでくる。プール内人口が増えるだけはない。シーズンオフのプールはたいてい皆1人できて黙々と各レーンを往復し、そして去ってゆく。おおくて二人。しかし、もうすぐグループできゃーきゃーとやってくるのだ。「よぉし、みんなで競争だ!よーいどん!ばしゃばしゃ」みたいに。区民プールユーザーにはつらい季節になってきました。

 昨日もプールに行って、あたらしい作品のアイディアが浮かばないかなぁと思いながら、6月にはいってにわかに混沌とし始めた水中を眺めてつつ1時間弱泳いだ。結局とくに浮かばなかったのだが、ずっとカナヅチなまま大人になって、泳げるようになった(水にはいれるようになったと言ってもいい)のはここ数年の話なので、水中の視界を得た時は、ほんとうに新鮮なおどろきだった。最初に水泳教室に通い出して「けのび」の練習などしても、もちろんゴーグルをしていても目をあける余裕がなかったのだが、多少は恐怖心が薄れたある日、けのびをしている短い間、はじめて水中を落ち着いてみることができた。「水色じゃん!!」。それは私のゴーグルのレンズが水色だったからなんだけど、自分と視界にある対象物の間にくまなく水があるわけで、ふだんなら空気がおなじように介在してるけどあまり気にもとめないので、そういう自分とまわりをつなげている物質(水は物質といっていいのだろうか)の存在とその透明感にとっても感動した記憶がある。

 そのゴーグルだが、現在は2代目。レンズは今も水色である。最初のを買う時にスポーツ店の店員さんが、初心者は水色のが見やすいですよ、とアドバイスしてくれたのを守っているのだ。しかし、泳ぎ終わったあと、寝てる間にだれかに目のまわりの落書きされたかのようにゴーグルのあとがずっと残ってしまう。ゴーグルのせいでなくて私のお肌の弾力の問題なのだろうか。なにかいいゴーグルないかな。

 ところで、このサイトでは今まで作品紹介のみだったのですが、先週から版画作品やTシャツなどの販売のご案内をはじめてみました。興味のある方は、「shop」ページ見てみて下さい。よろしくお願いします。(つづく)


6月27日(日曜日)

 一昨日ものすごーーく久しぶりに銅版画を刷る。先日物置きから高校生の時につくった版画作品(リトの他、銅版も)が出てきて、その中に友人の銅版が混ざり込んでいたのだ。都合20年ほど預かりっぱなしだったことになる。で、版を返却するだけではなんなので刷り上がりつきでお返ししようということで、大学生以来の銅版刷りとなったのでした。

 私が通う版画工房では銅版の人の方が多いぐらいなので、とりあえず講師の方はじめ居合わせた人たちに「最初に何すればいいー?」と教えてちゃん状態でなんとかやってみる。デモンストレーションを兼ねて講師の方に1枚刷ってもらい、あと3枚ほど自分で刷ったみた。ちょっと楽しかったです。インクは昨年イタリアにいった時に銅版の人たちへのお土産として買ってきたZecchi(ゼッキ)というフィレンツェの老舗画材店のインクをつかってみた。用紙は最近お気に入りのSomersetというイギリスの紙である。これだけゴージャスに(?)しておけば、刷り師(私)の技術が至らなくても、友達も満足してくれるだろう。昨日同窓会があり、そこで渡すつもりでいたのだが、さすがに刷りたてってことで、また近いうちに作品受け渡し&一緒に額を探そうということになった。

 幸い、私たちは高校の時の美術の先生が版画家だったので、高校の美術の授業にしてはめずらしく、リトグラフ、銅版画、シルクスクリーンとひととおりの版画技法を習った。こういっては何だが、かなりちゃんと習ったのである。それこそ最初はリトグラフって棒グラフとか折れ線グラフの一種かと思ってたぐらい何にも知らなかった訳だが、「刷る」という楽しさに惹かれて、結局今もやっている。こうやって高校時代の友人たちに会うと、あまりの自分の変わらなさぶりに居心地の悪さを感じないでもないけど、まあ、人生いろいろって我が国の偉い人もいってるからいいことにしよう。(つづく)

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