gallery talk 今月の一枚
No.54 June 2005

"Ripples"

ed.10, 7cm x 21cm,lithography,2004

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6月1日(水曜日)

 そろそろ梅雨の予感。おかげさまにて新Macにお引っ越ししての更新作業となっています。ソフトの都合でまだ完全に移行しきれないものの、なんとか月初めの更新に間に合いました。今月の作品「Ripples(波紋の意)」は季節にあわせてちょっとしっとりした一枚です。

 ちょっといつもの私の作品に比べると色遣いが渋めともいえるのですが、そのせいか(?)落ち着いているからと、昨年の個展でもわりと好評をいただきました。3つのコマからなる作品ですが、どれも水面のようなものをイメージしたものです。「ようなもの」というところが肝心なのですが、泉のようなもの、波紋というか波長のようなもの、器のなかの水のようなもの、そんなかんじです。私は旅先や美術館などでポストカードを買うのが好きで、さらにその多くを部屋に飾っているのですが、この右側の器は、そんなポストカードの一枚、エトルリア(イタリアの古代ローマ以前にあった文明)のアンフォラ(鉢)がヒントになっています。ローマはボルゲーゼ公園ちかくのビッラ・ジュリアというエトルリア専門の博物館のミュージアムショップで買ったものです。なぜか渡り廊下のような展示室があって、高所恐怖症の私はとても緊張しながら見た記憶があります。

 イタリアといえば、先月初めはイタリア映画祭で盛り上がっていた私ですが、ここ数日はケーブルテレビのスポーツチャンネルでジロ・ディ・イタリアという自転車ロードレースをみています。ツール・ド・フランスのイタリア版です。ルールなどはよくわからないものの(なんか色々採点ポイントがあるような)イタリアの景色が見られるのが楽しみです。昨日見たのはフィレンツェからビザンチン時代のモザイクで有名なラヴェンナまでのステージで、私が一昨年ちょっと訪問したRufinaというキャンティの町を通過していったので、なんだか懐かしく旅を思い出しました。一時期、ママチャリ脱出計画をたくらんでいたところへ友人が乗るBianchiを見て、ちょっと真剣に自転車さがしをしていたのですが、いつのまにか予算枠が消滅し、ママチャリのままです。では、今月もどうぞ宜しくお願いいたします。(つづく)

 


6月5日(日曜日)

 学生時代以来とっても久々となるエッチングなど先日少ししてみた。版の準備も腐食も刷りもTちゃんにお任せしてしまって、のんきにクリクリとグラフィックノベルでおなじみの二人を描く。とゆーか全部準備してあげるから描きなよと言われ、ご厚意にあまえたというのが真相だけど。かわいく出来てこちらの系統は銅版画でやってみるのもよいのかしら、とふと思ったりしました。

 しかし、のんびりしていて今月末に提出予定の版画をまだぜんぜん作ってないのでちょっと焦り出すこの頃。スケッチからいっこうに進まない。出品人数分プラスアルファのエディション数の作品を制作してオーガナイザーに送れば、いろんな国の人たちの作品がもらえるという、版画交換会のようなもので、とても楽しみです。これといって害外での活動はほとんどない私ですが、このウェブサイトも無理して英語版をつくってあるので、たまに外国からの問い合わせなどがあります。最近フランスからきたメールは差出人のお名前がどうみてもイタリア人名なので、失礼かと思いながらイタリア好きなので気になって、と断りをいれて伺うとやはりイタリア出身とのこと。そしてメールのやりとりも急遽英語からイタリア語への変更となりました。ながく趣味でイタリア語を習っていてほとんど役にたつことはないのですが、たまにこういうことがあると続けていてよかったと思います。英語にしてもイタリア語にしても片言でやりとりすることに代わりはないのだけど。

 さて、ブログにも書きましたが今週からリンクページでもおなじみの版画仲間マッキーさんの個展がはじまります。私の個展の時の飾り付けのお手伝いをしていただいて、今回はお返しにお手伝いにいってきたのですが、版画だけでなく彫刻もありなかなかよいです。版画は銅版画中心なので、文頭に書いた件もあり、興味深くみてしまいました。お時間ある方は是非。(つづく)


6月12日(日曜日)

 梅雨入りなり。昨日は細かいまとわりつく雨の中、庭園美術館にアンソール展を見に行きました。私の好きな「オステンドの海水浴場」の銅版画の方があった。生涯で5回ほど引越してるそうですが全部3ブロック以内に収まっているところに好感を持ちました。タブローの方はbunkamuraで展示中って今日までじゃないですか・・。

 ちょっと不気味ちゃんだけど風刺的でユーモラスなイメージがあったアンソールの作品ですが、回顧して見ると、ある時点で何か引きずり込まれる世界に行ってしまった感があります。なにか執拗に強迫観念のごとく特定のモチーフをとりあげる作家は少なくないですが、やっぱりガイコツはちょっとこわい。といいつつ先日チチカカで毛糸のポンポンがアフロヘアのようについたガイコツの携帯ストラップを買っている私でした。でも毛糸のポンポンはピンク色だしかわいいものです。

 先週登場のおフランス在住イタリア人の方とはなんとか値段の交渉で折り合いがつき、少数お試し買いをしてもらうことになりました。さてこの先うまくいくとよいのだけれど。しかし、いわゆるご商談ボキャブラリが日本語でもないので外国語だと余計大変ですね。まだ英語の方が「ビジネス英語入門」とかフレーズまるごと引用できる参考書があったかもと思う。。イタリア語ビジネス入門書ってあるのだろうか。でもたった8gオーバーで料金一段アップってどうよ、と郵便局で思う。

 プリント・ポートフォリオ(交換会)の作品も作り出してはいるものの、考えてみたら先日のMacデータ消滅で送り先がわからなくなっていることに気づく。そもそも連絡をくれていたアメリカの人そのものがわからなくなっているのでした。その人に私を紹介してくれた別のアメリカの先生に事情を説明するとイタリア滞在中(うらやましい)で来月戻ってから職場のパソコンで昔のメールを見ないとわからないといわれ、仕方なくとってもあやふやな記憶をたよりに(名前すらちゃんと覚えてない・・)とあるアメリカの大学のアート・デパートメントに「尋ね人」メールをだしてみた。来週お返事こないと結構こまったことになるなあ。Macが壊れたときはそっちの方がショックで個々のデータの消失まで気がまわらず、最近になって「あ!・・・・あのデータもないんだ・・・」と小出しに悲しみが蘇ってきます。しくしく。でもがんばる。(つづく)


6月20日(月曜日)

 日が長くなるのになんか慣れなくて、まだ5時ぐらいかな、と思ってもそもそ用事をしていると7時だったりする。ひさしぶりに私にしては多めのエディション数の版画を刷った。力も使うし体も動かすし、一気に枚数をするとほとんどマシントレーニングのようでもある。疲れるけど、休憩の合間にガリガリ君を食べるのが楽しみな季節でよかった。

 結局、先週の日曜日はBunkamuraにはいけなかった。まだどこかでみられるだろう。そういえば、みたかったアルプ展も見に行けなさそうだ。もうちょっと便利なところでやってくれればいいのに。

 会場の川村美術館は、最寄り駅へのシャトルバスのりばが、産地直送野菜即売場と化していて、前回とある展覧会に行ったときはトウモロコシを買って帰りました。安いしとっても美味しかった。

 もし行かれる方がいたら、帰りに買おうとおもっちゃダメです。なくなっちゃうよ。最近の美術館「食」事情に不満をもつ私ですがこういうのはいいですね。

 竹橋の近美がリニューアルしたばかりは併設のレストランにおおいに感動したものだけど、最近肉ちっちゃいし・・。なによりこないだのゴッホ展はなんであんなに並ぶの?と思うほどの混雑ぶりで、レストランどころではない。

 そもそもゴッホ展といいながら、肝心のゴッホ作品は半分もない。せめて「ゴッホとその他の作家たち展」ぐらい書かないとあれば詐欺だとおもう。

 一時間以上も並んで、時はすでに閉館20分前ぐらい。それなのに、たいていの人はまずゴッホでもなんでもない最初の絵をじっくりみてしまう(あと「ごあいさつ」とかね)。おもわず「みんなー、それは違うぞー」と呼びかけたい気持ちにさせる金返せ系の展覧会だった。

 あきれてさっさと見終わってしまったので、版画室でクリンガーのなんとかというシリーズを見たあと出口に向かう途中に通る常設展の絵がとってもいい物だと改めて思った。

 美術館グルメ情報(高いのはだめ)募集中。(つづく)


6月27日(月曜日)

 あっついですね。幸い夜はまだ夜風が涼しいので蚊取り線香を買ってきた。幸いといえば、参加予定の版画ポートフォリオの確認メールがやっと届いた。先月末のMac崩壊で連絡先がわからないままだったのである。作品は一応できて送るのみなのだが、まだ少し時間がありそうなので、ぐずぐずと他のをだそうかな、と迷い中。

 それにしても、毎年書いていますが、ほんとうに夏はリトグラフをするのはつらいですね。工房ではとにかくエアコンの効きが一番わるいところにプレス機があって、しかも一番効きのよい涼しいところには、じっと座って作業をしている人たちがいるので、設定温度もそうは下げられない。なによりエアコンの効きがよいのは、版にとってはいいことではないのだ。

 先週のようにたくさん刷っていると本当に熱中症になりそうになるので、そろそろ自宅アトリエでちまちま小品を作りたい季節だなーと思っている。なんか月末でバタバタしてきました。今年の夏は長そうですね、みなさまもご自愛ください。


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