gallery talk 今月の一枚
 No.56 August 2005

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"Profound"

ed.24, 27cm x 20cm, lithograph, 2005

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 8月1日(月曜日)

 あっついですね。ほんとに。今月はわりと最近つくった作品にしてみました。少し涼しげでいいかな、と思いつつ。先月なにげなく銅版画の練習もしようと思いついたため、出来てる版をつかって刷り方の練習だけ始めてみたものの、私が最近通っている工房ではリトグラフをする人がだいぶ少なくなっているようで(わたしもややさぼりぎみだったけど)それはいかん!ということで、やっぱりリトもがんばろうとおもいました。

 今月の一枚は、このところ何かとあたふたしていた(送り先がわからないだの送ったのになかなか届かないだの)作品です。結局ちゃんと出来たし、無事届いたし、外国の作家達20名弱とExchangeの目的は果たせるようです。よかったよかった。そのうち、みんなの版画が届くのでとっても楽しみです。

 先日、先のブックフェアの手作り絵本のコーナーに一緒に出展した方たちとお目にかかる機会がありました。作品だけは現場でじっくり拝見していたものの、いろいろお話をするのは始めてでした。絵本という媒体自体は、私はほんとうにかじってみたばかりだし(そもそも私としては「絵本」じゃなくて「グラフィック・ノベル」なのだけど)、すでにその世界で試行錯誤をかさねて結果をだしている皆さんばかりで、とても勉強になりました。

 版画だ絵本だ、リトだ銅版画だ、と、あっちこっちふらついてばかりですが、まあ地道にがんばろう、と思いました。そんなわけで、今月もよろしくお願いします。夏ばて注意。(つづく


8月8日(月曜日)

 今日は白玉の日。と、白玉粉の袋に書いてあった。デブの日でもあるらしい。なんか暑苦しい。でも本人が一番暑いのだから仕方ない。ある夏に病院で「調子どうですか」と問診され「元気です」と答えた時「夏バテして食欲落ちたりしないんですか?」と医師に聞かれたことがある。「落ちません」ときっぱり答えてみた、とっても元気な私であった。

 さて、今月の作品について。この作品には「お題」がありました。前にも書いたけれど、このポートフォリオ(この場合、複数の作家の版画集を指す)を企画して呼びかけた人から、「On The Edge」というテーマを提示されていた。

 「あなたにとって、個人的に、思想的に、政治的に、芸術的に、宗教的に・・(その他いろいろ)オン・ザ・エッジとはなんぞや」ということでした。

 お題があって作品を作るのは、結構むずかしい。しかし、そのテーマが観念的なものなので、逆にまずそのテーマに対する切り口、そしてそれをどう表現するのか、いろんなやり方があると思ったので、むずかしくもあり、楽しいことだと思ったのでした。

 数年前に私がチューブのようなものや、自分と他者の間の空間というか空気というか謎の(笑)物質というか、そんなものたちの「つながり」を作品にしていた時期があった(作品で言うとSunlight等の頃)。時々リバイバル・マイブームのごとく考えたりしていたので、再びそのテーマを生かすことにしたみました。私の中ではそういう空間と空間のぶつかるところ、自分の気持ちが他者(周りの世界)とぶつかるところ、その接面がまさにエッジであると考えたのです。

 なんかわかりにくい説明ですが、すごく大雑把にいうと、自分の思ってるとおりにしか世界は見えてこないということです。自分の考え方や気持ちが歪んでいれば、私の「世界」はその歪んだ「型」にはまった形でしか受け取れないということ。その自分の作り出す「型」の形、周りがその型どおりに鋳物のようになって自分とふれるその接面、そんなことを色々考えて絵にしたりしていたのでした。

 やっぱり、なんかよくわからないですね・・。まあ絵を見て楽しんでもらえれば、それで十分です!(つづく)


8月15日(月曜日)

 更新作業をしようと思ったら、すごい雷。まわりに高い建物があるのでまず大丈夫と思いながらも、念のためにMacを終了する。かわりに夜やるにはちょっと音がして近所迷惑なので明日の昼間にしようとおもっていた作業を、雷雨のうるささに便乗して遂行する。

 うるさい作業というのは、紙の裏打ちを糊貼りするときに、ばんばんとブラシでたたき込む作業があるからだ。以前つくった小さな本を入れる化粧箱をつくっていて、その外貼りにイタリアでかった新聞紙を使っている。そのままでは薄いし弱いので、和紙で裏打ちをしなくてはいけないのだ。どんな箱になるかは、来月のお楽しみ。

 外国の新聞とはいえ、できれば面白い記事、またはあたりさわりがないところを使うようにしている。少なくとも深刻でも悲しくも悲惨でもない記事。前回同様の箱をつくったときは、アート欄を使ったので、イタリア語ながら、ところどころ誰もが知っているアーティストの名前が見え隠れしている。

 とはいえ今使っている新聞は2年前に行った時に買ったものなので、ところどころ黄ばみ始めている。ちょうど滞在中にイタリア全土でおきた大停電の翌日の新聞なので、記事はほとんどその関連だ。

 トップページはもちろん、政治面では政府の対応について、経済面では停電による経済的損失について、社会面では発電機のペダルを踏み続けてローマでただ一件コーヒーをつくりつづけたカフェのおじさんなどが写真入りで紹介されている。

 今回は、この「停電カフェおじさん」あたりを使う予定。だれかイタリアにいく人がいたら、お土産に新聞紙かってきてくれるといいなあ・・できればアート欄が面白い記事がのってる時・・と思いながら、そう簡単にリクエストがかなえられそうにはないので、おととい神保町にあるイタリアものの書籍雑誌そして新聞もたぶんあつかっている本屋に行ってみたら、夏期休業だった。ちぇっ。と思っているとにわかに空模様があやしい。

 傘は持っていたものの、ぼつぼつと大粒の雨が降り出してきたので、近くのカフェでしばし時間をつぶす。完全分煙なのはありがたいけど、喫煙席の方が明らかに席がゆったり、かつソファっぽい椅子なのに、禁煙席はきゅうきゅうとしたいわゆるふつーのコーヒーチェーン店のそれである。幸い喫煙席には人が少なく、タバコを吸ってる人もすくないので、そっちでのんびり座って本を読む。

 だいぶ小止みになったので、外に出る。神保町にきたら文房堂には必ず寄っているのだけど、割引のカードわすれてことを思い出す、しかももう閉店時間だし。インク買いたいのがあったのになあ・・。

 この夏はバリバリと制作に励む予定といいながら、かなりこういうペースで作業は(かろうじて)進んでいるのが現状だ。・・がんばろう。(つづく)


8月23日(火曜日)

 めずらしく週末の更新をさぼってしまった。先週から模様替え&大掃除をはじめたら収拾がつかなくなって、キーボードを打つスペースすらなかったのだ。物持ちというより捨てられない質なので、今回は「捨てる捨てない」の境界線を「これはいつか使うかも・・」を「いらない」へ、「ないと困るかも」も「いらない」へ厳しくつり上げて、大量処分となった。とってもすっきり。

 今回の模様替え&大掃除は仕事部屋が中心だったので、主な処分対象は、いつもどおりに梱包材、段ボール箱とかプチプチとか大型のプラスチックの袋。版画を送る時にないと困るかもとついためこんでしまっていて、気がつくとものすごい量になっている。あと筆記具類。とっくに書けなくなっているペンもたくさんあった。

 ペンは、買う時にお店でにょろにょろと試し書きはするけれど、でも実際に使ってみないとわからない。一緒に使う紙や他の画材とあわせての書き味や太さ、色、にじみ具合、結局買うしかないのだ。買ってみて、私にとっては使い道がないペンや紙、画材もたくさんある。そうやってものは増えていくのね。ときどき雑誌などで、仕事部屋(アトリエ)自体がそのひとの作品のようなアーティストさんがいる。もちろん仕事部屋だけでなく普通の生活空間にしてみたって、すてきにしたいのはやまやまなのだけど、でも元の物件がよくて、お金や労力があったとしても、必ずしもそうできるものではないらしい、と思う。

 ものすごくささやかなことなのだけど、でも私が室内デコレーションで好きなのは、ダイニングキッチンに、大皿に盛ったレモンやオレンジ、ぶどうなどのフルーツをおくこと。もちろん、この季節にそれをしたら虫の襲来に悩むことになるのでやってない。冬限定だ。さらに私のアパートの場合それは玄関の下駄箱の上になる。カートンボックス入りのワインと、取っ手がとれるお鍋などと一緒に並んで。・・・まあいいや。(つづく)


8月28日(日曜日)

 あっという間に8月も去りゆく。学生時代の夏休みはバイトなどしたし、高校3年の夏休みは夏期講習で受験勉強(受験デッサン?)に明け暮れていたが、もっと子供時代の夏休み毎日なにをして過ごしていたのやら、さっぱり思い出せない。もちろん宿題をこつこつやっていた訳ではない。とりあえず今年の夏は目標にしていた読書量は達成。作品づくりとイタリア語学習はまあまあといったところ。

 昨日作り始めた作品(正確には刷り始めた。作り始めたのはもっと前からです)は、わりとシンプルなもの。ベースになる色とその上の絵となる色の2色の予定。なので、どんな色でもいいといえば、いい。いっそ色んな色でつくってみてもいいと思った。

 とりあえず、ベースの色は左の作品のような黄緑っぽい色。はじめはベージュもしくはブルーか黄色、すこしソフトな感じの色にしようとおもっていたけど、上に重ねる絵の色を濃くして、「ほんわか」していない感じにしてみたくなりする直前に変更。

 私はあまり「色違い」の作品は作らないのだけど、こうやって同じ版で色を変えて作れるのが版画のよいところです。今回は色違いを作る予定。なるべく今までの作品の配色と違う感じにしたいです。ちょっとクールかつ渋いかんじ・・・になるとよいです。

 来月もがんばろう!(今月はおしまい)