gallery talk 今月の一枚
 No.57 September 2005

"Highland"

ed.10, 20cm x 14cm, lithograph, 2005

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9月1日(木曜日)

 ちょっと暑さもしのぎやすくなりました。9月の更新でめざしていた大幅リニューアルは、大幅に遅れて来月あたりをめざす予定です。とりあえず、春に作ったグラフィック・ノベルのリャマちゃん用にふわふわBOXを作ったり、ムービーにしたり、少しずつ進行中です。

 今月の一枚はリャマの故郷(と勝手に想像)の高地ハイランドです。何年か前にすこし似た構図で「PERU」という大判の作品を作ってみたことがあるのですが、失敗してお蔵入りになりました。それが気になってつくりたい形はあるのに、なぜかなかなか出来ずにようやく作り出してみたものです。

 なぜイタリア好きを強調している私がなぜペルーなのかというと、単にリャマが好きだったんですね。かわいいなぅ、と。猫好きさんがおもわず猫グッズあつめちゃうように、私もリャマグッズおよび資料を集めたかったものの、日本だとそれほどポピュラーな存在でないのでしょうか。しかしレッサーパンダしかり、いつ国民的アイドルになるやもしれません。

 本やカレンダーは結局アメリカのアマゾンでけっこう見つかりました。向こうではリャマ牧場とかたくさんあるようで「リャマの飼育となんたら」みたいなものも出てるんですね。

 しかし、もちろんかわいいだけでなく、イタリアのような文化の薫りをぷんぷんさせた圧倒的な美しさと違う、あの高原の空気薄そうな感じや失われた世界で家畜としてのんびりとしかし頑なに過ごしている空気はまたひかれるものがあります。そんな気持ちがこの小さいけれどHighlandの作品に(PERUという失敗をへて)なりました。

 週末から今更ですが、10日ほどお休みです。ブログの方は更新の予定。今月もよろしくおねがいします。(つづく)


9月11日(日曜日)

 みなさん選挙には行きましたか?私は一週間ほどぷらぷらとお休みをとって(今日もかわらずぷらぷらしてるんだけど)、さて今日は投票所にでも行くかな、と思ったのに、急に空が暗くなって夕立がきたので、待機中。わけもなくイタリアのネット書店(CDやDVDも売ってるけど)でお買い物をしてしまった。

 買ったのはCD2枚と本2冊。一昨年イタリアでいくつか買った「Dizionari Dell'Arte(アート辞典)」シリーズのコレクションがまた一つ増えることになった。辞典といっても専門的なものでなく図版中心のみるだけでも楽しい本なのです。たとえば今もっているものの中にあるのはいわゆる聖書の登場人物とエピソード辞典なのだけど、イタリアの巨匠達のみならず古今東西の名画を図版に、それぞれに注釈をつけるような形で解説がついていて、けっこう分厚いわりにしかも値段が安い(ここ重要)。

 旧約聖書のルツ記のなかに、Naomiというお姑さんがでてくる。残念ながらわりと地味なエピソードなのでほとんど絵画作品のテーマとしてあがることはないようで、お目にかかったことがなかったのだけれど、この本にはかろうじて1点、16世紀オランダのレンブラントの教え子という画家によるものが掲載されている。これの右側のおばーちゃんがナオミさんです。イギリスのオックスフォードにあるAshmolean美術館の所蔵だとか。

 それで(?)欧米でもNaomiはポピュラーではないにしろめずらしくはない女子の名前としてあるのだろうと思う。ナオミ・キャンベルとかナオミ・ワッツとか(英語だとナオミというより「ネイオウミ」に近い発音なので同じ名前の気がしないんだけど)。

 そのため欧米にいくと、クリスチャンでもジューイッシュでもない東洋人のちびっこが、Naomiという名前なのは奇異に映るというと大げさかもしれないけど、なんでそういう名前なの?と聞かれることがある。親にきいてくださいって思うのだが、たしかに名前を覚えてもらいやすいのはちょっと便利です。

 こうしてイタリアやネットで買ったイタリア語の本がだんだん増えていくものの、当然読む方は全然おいつかない。今回は眺める系の本なので、先に読むべき本がまだあるのにまた無駄遣いをして!という罪悪感は感じなくてすむからよかった。

 実際いま読まねばならぬ!のは、友人から借りているアレッサンドロ・バリッコの「絹」という作品。去年から借りたままで、私も彼女に「悪童日記」を貸しているので、お互い気兼ねなく(?)長期レンタルをしているのだが、それだとなおさら進まない。ということで、今年中に読了如何に関わらず返却しあおう、ということになった。なんとか真ん中あたりまで来てるので、秋の夜長に読み終えたいものです。(つづく)


9月18日(日曜日)

 まだまだあっついような、秋っぽいような十五夜となりました。団子でも買うかなと思ったけど、急に歯がすごく痛くなって、休日診療の歯科医院を探して応急処置だけしてもらう。帰り家の近くにきて「日曜診療してます」という看板をかかげた歯科を2件ほどたてつづけに発見。良く探せば遠出しなくてすんだのに。でも、とりあえず休み明けにかかりつけのところでちゃんと見てもらおう。激痛はおさまったものの、まだなんか痛いです。

 このページの更新をしながら、そういえば先週注文したイタリアの本CDがまだ届いてないことに気がつく。イタリアらしからぬ(?)2,3日でFedexですぐに届けてくれるはずなんだけどな。あー、やっぱり歯いたいや。

 で、今月の作品のHighlandの話もちゃんとしなくては。この作品は最近できあがったばかりで、目下のところ最新作となります。これより先に版だけつくっていた作品があったのですが、こっちの方を先に刷り上げてしまいました。版だけの作品も刷ろうとはおもうだけど、なんか間があくと「なんか違う」感じがしてしまって、お蔵入りになることがままあります。きっぱりと新しい作品を作る方で進もうかなという気になっています。でも、歯痛いし。

 よく考えてまた作ろうと思います。歯痛いけど。(つづく)


9月24日(土曜日)

 あっちもこっちも台風。歯が痛いのも治ったのでおはぎを食べながら、イタリアから届いたCDなど聞いている。作品のスケッチといえば聞こえがいいが、ただのいたずら描きのようなものをするばかりで、なかなか思ったように作品作りはすすんでいません。こまったものだ。そろそろ涼しくなってくるし、ぼちぼちとがんばろう。

 今年になってからはそうなのだが、このページのせているような、いわゆる普通の版画作品と、ムービーで紹介しているようなグラフィック・ノベルの両方で考え事をしていると、案外どっちもすすまないということがわかってきた。しかしどっちかがかなり進めば、片方も案外勢いづくというのもわかってきた。このバランスの取り方は自分でもよくわからなくて、ようはぐずぐずしてしまっているだけなのだが。でも、だいたい私の作品の多くはこの「ぐずぐず」から生まれているので、しばらくあきらめて時間をかけようと思っている。出来る時には出来るのだ。きっとそのうち、両方の扱いようも自分なりにみえてくるかもしれない。

 今週はこんなだらだらモードでお送りしました。すみません(笑)。(つづく)