No. 64 - Aprile 2006
gallery talk 今月の一枚


"Un Giorno Normale"

ed.40, 10cm x 9cm, Etching, 2006

4月10日(月曜日)

 すっかり更新が遅れましたが、銀座・伊東屋のミニ・ギャラリーでの個展も閉幕し、イタリアにも行って無事に帰ってきました。

 個展にご来場くださったみなさま、ありがとうございました。また月末に旅行で留守にして失礼してしまった方がた、本当に失礼してしまいました。申し訳ないです。

 旅行の話は、ブログのほうでぼちぼち写真付きでアップしようと思っていますが、こちらのほうでは、旅行のメインイベント(のはずだった?)ボローニャ児童書フェアのお話などもしてみたいと思っています。

 今月の作品は「Un Giorno Normale(普通の一日)」という新作のグラフィック・ノベルの表紙です。カルメラさんのごく普通(?)のある日のお話です。全編ご覧になりたい方はカルメラさんのお部屋から。(つづく)


4月19日(水曜日)

 旅行からかえって12日ほどたちました。12日間の旅行の行動を思うと、旅行中の1時間ぶんぐらいの能力しかつかわずに過ごしたような感じです。しかるべき労力を注いでちゃんと仕事復帰しているものの。

 旅の記憶がさめないうちにブログで、旅日記を掲載中。ブログでは旅全般、こちらのサイトでは、旅のオープニングとなったボローニャ児童書フェアのことを中心に忘れないうちに書こうとおもっています。

 とはいえ、ボローニャ児童書フェアの絵本原画展は日本でもずっと前から巡回展がされてるし、多くの美術イラスト系雑誌でもこまかく取り上げられているから、目新しい経験談というのはないかもしれない。そもそも、このカルメラさんがでてくるお話形式の作品を作り始めるまでは絵本などの「児童書」界にそれほど関心はなかったし、正直いうと今も「児童対象」の作品をつくってるつもりはないので、いつも私が版画界に感じているような「ヨソ者感」をさらに凝縮したような感じだ。版画の方はまだオーソリティな業界とは縁がないものの、それなりに版画作品を作り続けているという自負があるのだけど、児童書界はほんとうに未知の世界だし、絵本原画展に入選もしてないとなると、現地に集合している常連さん風な日本人たちのコミュニティも敷居は高い。

 でも、自分も行っておきながら言うのもなんだけど、とにかく日本人が多い。絵本原画展の出品者も、来場者も。そして大きいポートフォリオをかかえてフェアの出展者のブースをまわっているのだけど(私も小さい手製本だけと配布用資料だけはもって回ったけど)、自分の画風とぜんぜんテイストや雰囲気がちがう出版社相手に作品を広げて、言葉ができないのか何もいわないで本当に診てもらってるだけの人をみると、イタリア愛好家の私としては、いますぐ街に出て美術館や教会回った方が楽しいのに!!と思ってしまう。ここはイタリアなのに!実際その人達は、テイストが違うので他をまわってみれば、としか言われていなかった。

 なんて人のこと言ってる場合じゃなくって、私も片言でコニュニケーションをとるしかないわけだけれども、順番がまわってきて、もっと小さな子供たちが読むってことを意識して構成しないとと指摘される(全然意識して作ってませんでした、ごめんなさい)。いろいろ具体例を挙げてアドヴァイスをいただき「でも、これはうちの出版社だったらそうしてもらいたいってことで、いろんな意見を聞くべきよ」としめくくり。出版を目的とする原稿としては全く意味のない手製本だけど、話題作りとしてはちょっと便利である。次の順番をまっていたフランス語圏らしいイラストレーターも話に入ってくる。でも、やっぱり作品内容にかんけーないのだ。配布資料を置いて引き上げる。

 あとは、イタリアの出版社で私はそこの刊行物が気に入ってテイストがあう気がしたのだけど「残念だけど、うちのテイストではない」ってことで、すごすご引き上げる。

 話はとぶけど、その後ヴェネツィアで知人が紹介してくれたフランス人とスイス人の絵本作家ユニットの人たちと実際にあってお話したりしている方が、とても有意義な感じがした。もちろん、自分なりに思うところや修正していこうとおもう点も見えたし、ボローニャに行ってみて気づいて部分があったのはたしかなことだとおもう。

 でも、ふだん日本にいたって売り込みをほとんどしない私がわざわざイタリアに来てすることないし、しかも分野外の児童書のフェアに売り込みするのって、やっぱり目的意識が軽薄すぎるのだ。そう思うと3年ぶりにイタリアに来たのに、街はずれの見本市会場うろうろしてるって・・・と、そうそうに市内へもどってしまったのだった。(つづく)


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