ほどよくひんやりした秋の一日、春日部市にある「Art & Craft studio T-BOX」さんにて週末催されてた「造形教室展 と 858-市」にお邪魔し、リトグラフのワークショップをしてきました。
備忘録を兼ねて、その様子をまとめておこうかと。
いつものリトグラフの制作風景は、いろいろな工程があり、さらにその各工程のあいだの「待つ時間」がやたらと多くあります。もちろん、そうしなければ出来ない表現があるからなのだけど、でも今回のようなワークショップでは、そこまでしていられません。
とにかく省けるだけ工程を省いて、いきなり20分ぐらいでできちゃうやつにしてみました。
リトグラフってなに?って方に体験してもらうのも大事な目的の一つでもありますが、いっそここまで工程縮めてみるなら、もっと気軽に楽しんでもらおう、もっと遊んでしまおう!ということで、紙を版材にしたリトグラフを考えました。
そもそも紙にリトグラフをすると言うのは、夏の終わり頃、やらなきゃいけない用事からの現実逃避(笑)として、なぜかお菓子の空き箱(レヴァン食べてた)にリトの描画材料でいたずら書きをして、簡単に製版して刷ってみたことに始まります。
そのときは「うまくいった!」というにはほど遠く、だけど、もう少しやり方を工夫したら意外に面白いかも……とぼんやり思っていました。そんなころにワークショップ参加のお誘いをいただき、「お菓子の箱でリトグラフしよう!」みたいなのなら工作みたいで楽しいかもと思い、お菓子の紙箱さがしが始まったのです。
それなりに吸水性はあるけど水にふやけず、インクローラーでコロコロ刷るから強度もいる、とはいえしっかりめのマット紙ならいいかといえば、そうでもない。お友達からも空き箱をあれこれ恵んでももらい、いつもなら資源回収にすぐだす空き箱もいちいち「使えるかも?」と溜め込み、使えそうな紙の目処がたってきました。
それが、アイスのMOWの外箱の紙だったのですっ。
工程を短くしすぎなため、絵をかくというより、ぐりぐりといたずら書きしたら、あとは(本来のリトなら御法度の)地汚れが、味のあるマチエールになり、また紙なので簡単に切り抜ける──そんなマチエールときりぬく形で楽しめそうな感じになってきました。
だからもちろん、ちゃんと描画をしたいひとたち用に、いつものアルミ版との二本立てにしました。こちらも工程をかなりすっ飛ばしているので、せいぜい3枚ぐらいしか刷れないけれど、それもまたよし。
そんなわけで、題して「秋のMOWリトグラフまつり」開催!となったのでした。いや、ほんとはこのお題は後からつけましたが笑。
なんだか長くなってきてしまったので、肝心のワークショップ内容は、次回に続けることにします。