12月!数年ぶりに個展をします。
まだまだ、というかいまだにCovid-19から逃れることができない日々ですが、
ご無理のない範囲で、どうぞご覧いただければうれしいです。
橋本尚美 リトグラフ版画展
「テリトーリオ、あるいは風にそよぐ草とカーテン」
2022年12月12日(月)−17日(土)
11:00−19:00 最終日17日のみ17:00まで
ギャルリ・シェーヌ(銀座)地図
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Statement
テリトーリオ、あるいは風にそよぐ草とカーテン
Territorio, o piante e tende al vento.
まずはじめに、断っておきたいのは、作品は見るひとがなにか思うことをもって完成するということ。
作者なりにあれこれ思いながら、それを作品に詰め込もうとはしているものの、それは察する必要もなければ、読み取ろうとする価値もまったくなく、ただ自由に気ままにご覧いただければなによりと思う。
その大前提があっての話ではあるが、ここ数年、多くの人と同じようにコロナ禍のなかで過ごし、ネガティヴに思うこともあれば、すこしはポジティヴに思えることもあった。
美術館の一時休館は残念だったけれど、そのあと人数制限をしての開館は、これまでの人気展の芋洗い状態を思えば快適としか言えなかった。そして、日頃の性分として人と距離を取れることにも、大きな安心があった。もしこの世界的感染症から身を守るための適切な行動が、日々多くのひとたちと接しておしゃべりに明け暮れるべしとかだったら、ほんとうに苦しかったと思う(だからこそ、それを好ましくおもい望む人たちにとって、どれほどつらい日々だったかと思う)。
とはいえ、自分のなわばりに居心地よくこもってはいても、こうして作品を作れば、やはり誰かに見てもらいたいと思って、最近になってSNSに画像をあげたりもするし、うちの猫の画像をアップしていいねがつけば、誇らしくおもう。きっと、すこし窓を開けて、風を取り入れる空気の美しさはいくら引きこもり上等と言いつつも、わかっているのだ。だから、窓辺に吊るした草やカーテンが風でそよぐのをテリトリーのなかからこっそり眺めているのが、少なくともいまのところは、自分にとってベスト・ポジションなのではないかとおもう。そうすれば、かさなるレイヤー(版)の先にみえる、自分とそれ以外の存在との接点のカタチもときどき覗きに行ける。それは自分の受け止め方の型としてしか受け取れないかもしれないけれど、そんな現状を、この個展のタイトルとした。
重ねて言うが、作品は見る人それぞれの感想や印象があって、それと相まってやっと「作品」として完成形になるという気持ちは変わらない。
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感染予防対策をとりつつ、会期中はずっと在廊を予定しています。
ご来場のみなさまには、勝手ながらマスクの着用をお願いいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。