リトグラフと雑貨展

いつのまにか初夏の気配に。

今回は、ちょっと雰囲気を変えた個展のお知らせです。

リトグラフの版画作品はもちろんですが、
今回は、そのリトグラフを、ちょっと趣向を変えて布などに刷ってみた
雑貨になってみたリトグラフたちです。


題して、「リトグラフと雑貨展」

何年か前に、大森のギャラリーで毎年のようにやっていたグループ展「作家ZAKKA展」の、ひとりバージョンといったかんじです(今回のギャラリーも、場所はかわりましたが、オーナーさんは同じ方なのです)。

あれこれゴチャゴチャ展示できればと思っていますが、さらには
小さいプレス機を使った、ワークショップも会場でできたらなと思っています。
こちらは、日時や予約といったことは決めずに、
わたしの在廊時に、気が向いたら試してみてね、という感じで。
(ところで、いまだにマスクしてる派なのですが、ご来場もマスク着用大歓迎しつつ、ワークショップご参加は必ずマスクしっかり着用をお願いします)

そんなわけで “ひとり作家ZAKKA展”、ぜひご高覧いただければ幸いです。

すべて布に直にリトグラフを刷って、その布をお裁縫しています。実家からロックミシンを引き上げたまま放置していたのだけれど、ようやく使う時がきました(使い方わからなくて図書館で本を借りまくっています笑)。

そして!!
つい最近のことですが、朝ドラご覧になってる方、石版画(リトグラフ)がでてきましたよね!
実は朝ドラ見てない派だったのですが、見ている方に教えていただき・・・これは見るしかないっ。

ということで、今回の個展で展示する予定はなかった石版画と石版石も、急遽ご覧いただくことにしました。
昨年末の個展に展示したものですが、朝ドラ思い出しつつ、また改めてお楽しみいただければと思います。

* * * 
「リトグラフと雑貨展」

2023年6月9日(金)−18日(日)
11:00−18:30 最終日のみ17:00まで
*13日(火)はお休みです

Gallery MIRAI Blanc >Instagram
大田区大森北1−33−12 ダイヤハイツサウス大森103

2023年!

明けました。
旧年中はたいへんお世話になりました。
巡り合わせいろいろ、なんとか切り抜けたことに安堵しつつ
また今年ものんびりがんばっていきたいと思います。

2023年になってもまだまだ(ほんっとにまだまだ)Covid-19の日々ですが
それに加えて、一昨年後半からちょっとタフなことがあり、
昨年末の個展を無事終えるまで、なんというか、最低限だいじなものだけ
とにかく手放さずなんとか岸まで泳ぎ着いたという感じでもありました。
岸に上がって、あーよかったぜーはー・・・して、ふと周りをみると
そこはキラキラした世界で、なんとも自分の無様さに居心地のわるさを
感じたりしたものの、でも、まあ、しかたがない(笑)。

とはいえ、個展や版画を作り、それを皆さまにご覧いただき、
気に入っていただくことって、まさにキラキラしたことというか
それなりの余裕があればこそとも思うので、
今年はあまりぜーはーせずにやっていきたいものです。

* * *

と前置きがながくなったところで、ことしの年賀状!
またもプリントゴッコで作ったので、その備忘録バージョンアップです。

今回もプリゴのメッシュ作りは、レトロ印刷JAMさんにお願いしました。
紙に描いて、取り込み、アウトライン化。
白黒グラデーション画の2階調にする加減も大事。
各版を一枚分にまとめたイラレデータを入稿すると、翌々日にはもう届く。
早い。
200メッシュというのがプリゴにはちょうどよいです。

今回はやや細かくしすぎて、刷っているうちにベタになってしまいがちだった。
ベタになると、刷るときメッシュと紙の接面が広くべったりして、刷りムラがでてしまう。次回はしっかり対処しなければ。

メッシュが出来上がったら、刷る版作り。
昨年までメッシュ枠は厚紙で自作したけれど、今回はもう使わなくなった(ランプがもうないので利用できない)プリントゴッコのハイメッシュマスターの枠を流用。
ピンと貼るのがなにより大事です。
ゆるいままだと「刷るときメッシュと紙の接面が広くべったり刷りムラ」が増悪します。
そしてインクを盛るのには、違う色のインクがまざらないようにインクブロッキングを。これは「すきまテープ」が使えるのがわかって一安心。幅や高さを適当に切ればよし。
そしてインク盛るのは、やはりアイシング用の絞り袋を使うと便利。
インクが古かったり、また室温が低くせいもあって固かったりした場合、ちょっとお湯につけるとにゅるにゅるでてくる。
ただチューブに水分がくっついたままだと、錆がでそうなので、しまうときはしっかり水気がなくなってることを確認せねば。

だんだんインクの色が足りないものも出てきて、来年あたり本当にもう代用インクが必要になるはず。
手持ちのリトグラフインクは、前回試した結果、やはりあまり向かない。使えるけれど、とにかく乾きが遅すぎる。これま今年じゅうに考えよう。
とりあえず、色によっては使い切る感じで、しっかりインクを盛る。
(実はちょっとケチって刷りムラをだしてしまって結果的に無駄にしてしまったのだ)

ということで、あとはパタパタ刷るのみ。あっという間に200枚刷れちゃうのはやはりプリゴの良さ。
とにかくインクはしっかり盛ろう。

そんな感じで、今年も宛名面が1版3色、そしてこの絵柄面は3版7色(1色/4色/あまり変わらないけど2色)でした。
今回は反省点も多かったけれど、やっぱり楽しいプリントゴッコでした。
ことしの反省点は、ちゃんと次回に活かすことにしよう。

ことしもどうぞよろしくお願いいたします。

個展のお知らせ

12月!数年ぶりに個展をします。
まだまだ、というかいまだにCovid-19から逃れることができない日々ですが、
ご無理のない範囲で、どうぞご覧いただければうれしいです。

橋本尚美 リトグラフ版画展
「テリトーリオ、あるいは風にそよぐ草とカーテン」
2022年12月12日(月)−17日(土)
11:00−19:00 最終日17日のみ17:00まで
ギャルリ・シェーヌ(銀座)地図

Statement

テリトーリオ、あるいは風にそよぐ草とカーテン
Territorio, o piante e tende al vento.


まずはじめに、断っておきたいのは、作品は見るひとがなにか思うことをもって完成するということ。

作者なりにあれこれ思いながら、それを作品に詰め込もうとはしているものの、それは察する必要もなければ、読み取ろうとする価値もまったくなく、ただ自由に気ままにご覧いただければなによりと思う。

その大前提があっての話ではあるが、ここ数年、多くの人と同じようにコロナ禍のなかで過ごし、ネガティヴに思うこともあれば、すこしはポジティヴに思えることもあった。

美術館の一時休館は残念だったけれど、そのあと人数制限をしての開館は、これまでの人気展の芋洗い状態を思えば快適としか言えなかった。そして、日頃の性分として人と距離を取れることにも、大きな安心があった。もしこの世界的感染症から身を守るための適切な行動が、日々多くのひとたちと接しておしゃべりに明け暮れるべしとかだったら、ほんとうに苦しかったと思う(だからこそ、それを好ましくおもい望む人たちにとって、どれほどつらい日々だったかと思う)。

とはいえ、自分のなわばりに居心地よくこもってはいても、こうして作品を作れば、やはり誰かに見てもらいたいと思って、最近になってSNSに画像をあげたりもするし、うちの猫の画像をアップしていいねがつけば、誇らしくおもう。きっと、すこし窓を開けて、風を取り入れる空気の美しさはいくら引きこもり上等と言いつつも、わかっているのだ。だから、窓辺に吊るした草やカーテンが風でそよぐのをテリトリーのなかからこっそり眺めているのが、少なくともいまのところは、自分にとってベスト・ポジションなのではないかとおもう。そうすれば、かさなるレイヤー(版)の先にみえる、自分とそれ以外の存在との接点のカタチもときどき覗きに行ける。それは自分の受け止め方の型としてしか受け取れないかもしれないけれど、そんな現状を、この個展のタイトルとした。


重ねて言うが、作品は見る人それぞれの感想や印象があって、それと相まってやっと「作品」として完成形になるという気持ちは変わらない。

感染予防対策をとりつつ、会期中はずっと在廊を予定しています。
ご来場のみなさまには、勝手ながらマスクの着用をお願いいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。