油性インクで刷る「小さな活版印刷機」

一昨年の年末に発売された「大人の科学 小さな活版印刷機」。
わたしもすぐ買って、(ちょっとアレンジして)すぐ遊んだひとり。
当時Facebookのアルバムにまとめたやつを、今更だけど、こちらにも載せることにしました。

「ちょっとアレンジ」というのは、この小さな活版印刷機では
水性インクを使うことになっているのだけど、油性インクをつかうところ。

なにしろ、ふだんやってるリトグラフでは油性インクを使っています。
そう。油性インクならたくさん手持ちがあるから、という理由です(笑)。

まずは、道具から。印刷機以外はふだんもつかってるのばかり。

まず大事なのは、インクを巻きつけるローラーと台をカバーすること。
本来は、水性インクなので水で洗えばいいことになっていますが。


Press’n Sealというサランラップにうっすら糊がついてるようなやつで
ローラーとインク台をカバーします。
(プレスンシールはコストコだと激安らしいけど、大きいスーパーでもみかけます。
画材ではなく家庭用品なので、画材屋さんに買いに行かないようにね)。
上の画像はローラーに巻きつけて、はみ出たぶんを片方だけカッターで切ったところ。
ここでシワがよったりすると、インクの乗りがムラになるので、ピッとひっぱりつつぴったりつける。
ローラーが動いてインクで汚れるので、インク台のちょっと下まで覆っておきます。

これで油性インクが使えます。
写真のはイタリアはZecchi(ゼッキ)社の銅版画インク。ビストロ色(褐色)。
油性インクは、ほんとは、使う前によく練ってからつかいます。
これは写真用にインクから直接だしてるけど。

いよいよ、レバーを動かして、ローラーが動き出します。
インク台の上をコロコロころがって、ローラーがしたの植えた活字へ。
だけど、活字の背の高さがちょっと高いのがいる。
これはどうやって修正すればいいのやら。

とにかく、ぱたぱたと刷る!刷る!

そして、刷った後は、だいじなお片付け。

ローラーに巻きつけてあるプレスンシールを、ローラーを傷つけないようカッターで切れ目をいれて、ぺろりんとはがす。

インク台にはったプレスンシールもはがす。
はがせばすむので、洗うより手間かからずにらくちんです。

はずした活字は、ディソルビットという洗剤をかけてから水洗い
(画材ではなく家庭用品なので、画材屋さんに買いに行かない略)
油性インクをつかう版画の制作現場では、こういうインクを落とす作業に
ホワイトガソリンや灯油など使うところも多いけれど、
わたしはふだんの版画制作もこれで済ませている。臭いのやだもんね。
もし水洗いできないものであれば、このあとアルコールで拭いたりします。

活字を水洗いする時は、確実になくす自信があるので(笑)、
ちょうど流しのゴミ受けにつかってるストッキングタイプのがあったので
それに入れたまま洗い、入れたまま干すことに。

そして、活字はほんとになくしそうなので、ひと工夫。
百均のタッパーに練りゴムをひきつめ、そこにぷちぷちとさしました。
ひっくり返したぐらいで活字は落ちないけど、使うときはすぐ外れる。
また使って戻すときも、むにゅっと押し込めば済むのでらくちん。

以上、備忘録でした。

「ラファエルちゃーん!」「なに((ΦωΦ))?」
「ほらほら、ねこだいすき!!」
「やだこわいにげよう((ΦωΦ))」


もうすぐ猫の日

すっかり更新を怠けているうちに、2月も後半になっていたとは。
そして2月後半の目玉といえば、猫の日。うちにも猫が3匹います。なので今回は、猫たちの紹介および、猫作品について書こうと思います。

ここ最近の猫ブーム(という言い方が実はもうイヤなんだけど)、猫をお題にしたありとあらゆるものがありますが、私のやってる版画界隈でも、もちろんブームは健在。猫をテーマにした作品の展示や、猫専門のギャラリーなど、もりだくさん。

そして私も、よく展覧会をさせてもらう某所では「いや〜、橋本さん、やっぱり猫作品は強いですよ!」と言われることもあり、なるほどなー、とも思ったりして、こっそり猫作品を作ってみたりはしました。作ったことは作ったのである。説明しないとどこに猫が描かれているのかさっぱりわからん作品を。まったくの抽象画ってわけではないけど、しっかり具象的な画風でもない。猫以前にすべてが、人知れずこっそり描かれている作風のため、猫ももちろん人知れずこっそり描かれ、展示され、そして誰にもらわれることもなく家に帰ってくるのである。

そんなことはまあいい(よくないけどさ)。そこで私も考えました。これでいいのか、と。でも昨今の猫ブームの作品って、ようするに猫好きの人間のための作品でしょう?もちろん買うのが人間だからしょうがないんだけど。でも、ここまで猫ブームというなら、猫のために作品を作ろうよ!!!そして、猫に買ってあげようよ、人間のためじゃなく!!と、私はこっそり熱く思ったのでした。

そこでまた考える。猫がみて楽しいであろう作品とは。

深く考えたすえに、箱を描くことにしました。だって、猫たち箱大好きだよね。うちの猫ちゃんたちもAmazonの箱とか大好きだもの。なのでほんとは「Amazon箱」にしたかったけど展示場所でなにかと差し障りそうなので、ただの箱にしてみました。それが「La mia preferita(お気に入りの箱)」という作品です。

気に入っていってもらえたかは、ちょっとわからないけれど。

その後もカリカリの作品も作ったりしました。が、当時はよく食べていたメディファスをモチーフに、チキン味おさかな味と2作品つくったものの、その後、写真のガブリエルちゃんに食物アレルギーがあるらしいことが判明。今はロイヤルカナンのセレクトプロテイン ダック&ライスを食べているので、はやく作品も作り直さなくては。

そんなわけで、最後に猫たち紹介。
地域猫だった母猫(生後半年ちょっとで出産のヤンママ)が、授乳期のおわるころ「この子たちに餌をだしなさい」といわんばかりに、子猫4匹をうちに置いてって失踪(結局、近所でカレシと一緒に暮らしていた)。子猫のうち1匹もお母さんに合流したので、残りの3匹に餌やりつづけて早7年あまり。今は完全室内飼いにしています。
名前は、写真左からラファエルちゃん♂、上にも写ってるガブリエルちゃん♂、ウリエルちゃん♀。ちなみに、一抜けした子はミカエルちゃん♀でした。

肝心の作品については、次回もう少し詳しくご紹介しようと思います。
今後も、猫フレンドリーな作品作りを心がけていきたい。