2月の作品展ふたつ。

まだまだ、というか、ますます Covid-19な日々が続いていますが、
2月に2つの作品展に参加します。

この1年以上、自分自身がすっかり引きこもって暮らしているのに
ぜひお出かけください!とお声がけするのは心苦しくもありますが
もし近くにお出かけの用事などありましたら、ぜひご覧いただければ幸いです。
どちらも、とても見応えのある作品展となっているはずです。

★版画ふたり展「春の隣のねこ」

2022年2月1日(火)−28日(月)
コピス吉祥寺4階アートギャラリー(連絡通路)地図
10:00−21:00 *コピス吉祥寺の営業時間による
*現在、4階のA館が全面改装中につき、会場の「連絡通路」はB館側(石井スポーツ)からしか行けません。ご不便おかけしますが、ご注意ください。 

ひとつめは、「吉祥寺ねこ祭り」という恒例イベントのひとつとして開催される、ねこをテーマとした版画展です。
友人でもある銅版画家・唐津のり子さんとご一緒します。
展覧会タイトル「春の隣のねこ」は、唐津さんが、俳句の季語に「春隣」って
いうのがあるのよ、と教えてくださったことから決まりました。

出展作品は、ふだんの作品とはちょっと違って、リトグラフを一版刷ったあとに油性絵具でモノプリントを重ねています。これまでやったことのなかった技法ですが、失敗を繰り返しながらも、いつもとはまた違った楽しさを感じました。

タイトル「You Shall Not Move! 動いてはならぬ!」

吉祥寺は中高時代を過ごした街でもあり、すっかり様変わりした今でも
(本展会場のコピス吉祥寺も、そのころは伊勢丹だったし)
やはり親しみを感じています。

★ Small Works 2022

2022年2月7日(月)−19日(土)
ギャルリ・シェーヌ
10:00−18:00(最終日17:00)地図

10年以上まえに、1年おきに個展をしていた銀座のガレリア・グラフィカbisが、昨春ギャルリ・シェーヌとなって生まれ変わりました。

本展は、こちらで昨年今年に展示をする作家たち16名による「日常にアートを届けたい」がテーマの小品展です。
わたしも今年の12月にここで個展をすることになっていて、本展に出品するリトグラフは、その予告編のようなつもりで作りました。

まだタイトル決めてないので書き込んでいない笑

以上、ふたつの展覧会。どうぞよろしくお願い申し上げます!

プリントゴッコで作る年賀状2021

2021年、令和 3年、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年も年賀状は、プリントゴッコでつくりました。

・表3版5色+裏1版1色
・メッシュ製版 JAM発注
・用紙 ミルトGAスピリット(ナチュラル)180k
・130枚ぐらい(非限定エディション)、サイン入り

プリントゴッコ(以下、プリゴ)が世を去ってから久しいものの、まだまだウチでは現役です。なによりあのパタパタと刷りあがる楽しさ。わたしにとって年末年始最大の楽しみと言っても過言ではありません(住所録整理や宛名書くのは苦手なので、年内に投函できたことはほとんどないけど)。
製造中止からもうだいぶ経ちますが、インクは譲っていただいたものや最後に買いだめたのがまだまだあり、そしてハイメッシュマスターもそれなりにある。しかし、とうとうあのピカッとするランプが、あと一回分になってしまいました。これでは製版ができません。

ということで、今回ははじめてレトロ印刷でおなじみJAMさんに製版を外注してみました。そんなこともあり、あらためてプリゴでの年賀状制作について書いておこうと思います。

*  *  *

まずは版の準備。ここは今までと同じで、手描きの絵をもとに、スキャナで取り込み、分版を考えつつ、版ごとのデータをつくります。今年は丑年なので牛の絵です()。

今回3版つくることになりました。宛名面用にもう1版必要だけど、それは2版目の余白をつかってすますことに(マスキングして別々に刷る)。
これまでなら、ここで各版のデータをプリンタ出力して、コンビニに持ってってコピーをとり、プリントゴッコの「ピカッ!」な製版をするところでしたが。

でも、今回はこのデータのまま、JAMさんに入稿。プリゴで使う場合、200メッシュがよいそうです。そして翌々日ぐらいにもう届きました。早い!
絵の部分はさほどこれまでとの違いは感じませんが、文字についてはやはりデータから直で製版されるので、すごくキレイ。

しかし、メッシュはキレイに仕上がっても、プリゴで刷るには、これまでのような枠がいる・・・ということで、ハイメッシュマスターもどきのフレームを厚紙で手作り。

枠も3つ。製版はLサイズ一枚にしてもらったのを切り分けて、3つの枠に張り込みました。厚紙・両面テープ・メッシュ・両面テープ・厚紙のサンドイッチみたいな感じ。ほどよくピンと張るのがちょっと難しい。
とにかく、枠のでっぱりの向きとメッシュのオモテウラを間違えないように、しっかり注意。

そしていよいよ、刷ります。まず1版目は1版3色。
インク周りのグレーのスポンジは、となり合ったインクが混ざらないようにするためのプリゴ用品ですが、私は隣り合わない所にもいつも使うことにしています。こちらもそろそろなくなるところだけど、なにか代用品考えねば。

(追記)とあるYoutubeを見ていて、もしこのグレーのやつの手持ちが切れたら「すき間テープ」なるもので代用できるのではと思いました。試してみないとわからないけど、自分メモとして、追記します。

(追記その2)その後、2022年用年賀状を作る際に、すき間テープを使ってみました。商品によって質感もいろいろですが、こちらのは素材がまったく同じなんじゃないか?と思うほど違和感なく使えました。もちろんサイズや厚みが違いますのでハサミで適宜カットする必要がありますが、それも簡単でした。

ハイメッシュマスターにはインクの上にかぶせる透明シートがついてましたが、それも代用品で。キッチン用品ながら、ふだんから私の版画制作にもなくてはならない便利グッズ、プレスンシールを使いました。ピタッと貼れてよい。

プリントゴッコの良いところは、インクが早く乾くところ。1版目を刷って数時間後に、いまのうち反対の宛名面を刷っておく(2版目兼用)。そしてまた数時間してから、その2版目の本来の版をパタパタ刷りました。
早く乾くとはいえ、この刷るときに紙をおく台は、紙が出てきたインクにくっついて持ち上がらないよう相当粘着力があるので、裏の刷ったところが直接触れないようカバーしておく。いくらインクの乾きがはやくても、それなりにインク取られるので。

刷り始めたら、ひたすら一気に。とはいえそれなりに馴れているので、紙をさす、プリゴ本体をギュッと押して刷る、刷った紙をラックに置く・・・という一連の作業が5秒/枚ぐらいでいけるので(正確には、左手で刷った紙をラックに置きつつ、右手でもう次の紙を刷り台に置いてる感じ)、130枚刷っても15分かそこら。このパタパタあっという間に刷りあがるのもプリゴの醍醐味で、いっぱい刷り上がったのをみると、やたらと気分もあがります。
上の写真は2版目(と裏の1版)まで刷ったところ。つづきは翌日に。

いよいよ最後の3版目。まずはインクを混ぜる調色から。黒ではあるけど、金色や茶色など何色か混ぜたもの。これまでのどんな色もチューブからそのまま使うことはまずないです。

この版もインクが横に流れていかないように、グレーのやつを。横に広がらず最小限のインクで済むような気がして、いつも2階建てにしている。とはいえ絶対これを使わなきゃというより、ピンセット使ったりするこの地味な作業がなぜか好きというのが最大の理由かも笑。「インクブロック」という商品名でした。

そしてインクをもりもりと。100均のお菓子作りグッズ売り場にある絞り出し袋が、とても便利。100円で15袋ぐらいはいってるので数年はもつはずだけど、なぜかどこにしまったか忘れしまうので毎年買います・・・。
そしてこちらもパタパタと一気に刷りあげました。


あとはちゃちゃっとサインを入れて、年賀のスタンプ(もう何年も使ってる消しゴムはんこ)を押してできあがり!

*  *  * 
まとめ。
外注したメッシュはまったく問題なく、文字に関していえば、これまでのコピーからピカッ!より断然きれい。枠に貼り込むのも、多少張りが弱くても問題なさそうでした(もちろん、ぴんと貼れるに越したことはないけど)。てことは、あとはインクさえあれば、プリゴはほぼ永遠に使えることに。
プリゴインクは油性なので、同じ油性のリトグラフのインク(うちにたくさんあるし)で試してみたけれど、結果からいうと、それなりに使えました。
とはいえ、刷り自体はほぼ問題ないけれど、インクがなかなか乾かない。ふだんのリトより乾きが悪い。やはり孔版だからインクが出過ぎるのかな。丸一日たってもセット(インクは乾ききってないけど、軽く手で触れてもインクはつかない状態)にはならないのであった。
トライ&エラーで、インクのメッシュの抜けやすさと出具合(それが乾きやすさにも)の加減がつかめるようになればいいけれど。ほんとにインクにしろ、プリゴはよくできた商品だったと改めて思いました。
でも、今後に備えて、ちょっとずつ考えて工夫しなくては。

こんなかんじで、1・2・3版!

以上、年に一度の楽しい年賀状作りでした!

「作家Zakka百貨展 vol.8」に参加します

毎年盛夏の恒例となったグループ展に、今年も参加します。
会場も、いつもの東京大森の葡萄屋ギャラリー。
8月2日(金)から11日(日)まで、大森の葡萄屋ギャラリーにて(詳細は下のほうに↓)。

この展覧会は、その名のとおり、いろんな作家さんたちが、本気で遊び心を持って作る雑貨がたくさん。版画家が多めではありますが、私もリトグラフを使いつつ、いろんな雑貨を楽しく作りました。

そして、今年のテーマは「旅」。WE ARE ALL TRAVELERS! です。

ということで、今年の私の雑貨は、リトグラフと各国の切手が楽しめるメールアート、題して「旅をしてきたポストカード」!

イタリアやハワイ、シアトル、スペインを旅したリトグラフのカードたちが、トランクのかたちをした、両面から見られるフレームにはいっています。

どういうことかというと。

リトグラフで作ったこのポストカードたちを封筒にいれて、海外に住む友人たちへ送り出します。受け取った彼らがそのカードをとりだし、郵便ポストに投函してくれて・・・日本に帰ってくる、というわけです(一部まだ帰ってこないけど笑)。

そこで大事なのが、切手。

今回は、その切手たちも見どころのひとつ、と言うより、これこそ見ていただきたいー。切手のちいさなアートの世界を。

というのも、わたしは切手が大好きで、これまで数少ない海外旅行にいくたびに郵便局であれこれ切手を買いあつめていました。今回はそのコレクションを中心に使っています。もちろん、友達にもらったもの、友達が現地で切手を貼ってくれたものも。ほんとうに、各地のお友達のご好意なしには成し遂げられませんでした。わたしの思いつきにみんな快く付き合ってくれて。ほんとにありがとうっ。

たとえば、こちら。

これは、イタリアのフォリーニョに住む方にお願いしたものだけど、なんと現地の有名なお祭り「Giostra di Quintana」の特別消印を押してもらっています。

切手は、以前わたしがイタリアで買った、スクロヴェーニ礼拝堂のジョットの作品や、フラ・アンジェリコの「受胎告知」の切手など。(宛先はわたしの自宅あてのラベルを貼っていましたが、それは剥がしてあります笑)

切手を見るだけでも楽しいので、近日中にひとつひとつ切手紹介をする予定。

そして、もう一つの作品は「旅するノート(役に立たないイタリア語会話集つき)とカバー」。

イタリア語の、あまり役にたたなさそうな会話文が、ノートのところどころにいたずら書きのように入った、実用性のある?ノートと、そのカバー。

カバーは、ノートを使い終わったあと、文庫本カバーとしても使えます。ノートの表紙や、カバー内側は、リトグラフで刷ってありますよ。ぜひ会場でお手に取って見てください。

そんなわけで、ながーーい梅雨のあとの酷暑の日々ではありますが、無理のない範囲で、ぜひぜひご高覧いただけるとうれしいです。もちろん、いろんな作家さんたちのいろんな雑貨で楽しめること請け合い。ギャラリー1階の喫茶では美味しい紅茶もいただけます。

どうぞよろしくおねがいします!!

《展覧会詳細》
作家Zakka百貨展 vol.8
2019年8月2日(金)−11日(日)
11;00−18:30(最終日は16:00まで)
*月・火は休廊です!

葡萄屋ギャラリー arts + cafe
東京都大田区3−29−3 tel. 03-6429-7331